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小柄なサッカー選手
第二章

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 するとチームでレギュラーになり中学高校の部活でも活躍し。
 全国大会にも出てそこでも有名になってだった。
 プロ選手にもなった、それに留まらず。
 イタリアのチームに入りそこでも活躍した、彼は二十五歳になっていたがその背は一六二程度であった。
 だが俊敏でスピードもありミッドフィルダーとしてイタリアのチームでも活躍しスター選手であった。それで小さなスターとまで言われたが。
 彼は日本に戻った時笑ってだ、こう言った。
「スポーツ選手には体格も必要だけれど」
「それでもですね」
「小柄でもですね」
「やっていけますね」
「僕みたいにね」
 まさに自分のことを言うのだった。
「頑張ればなれるよ、というかね」
「というか?」
「といいますと」
「体格で諦めたら」
 そうしたらというのだ。
「マラドーナやメッシも生まれなかったね」
「あっ、そうですね」
「二人とも小柄でしたしね」
「それで山東さんも」
「そうだよ、プロ野球選手でも吉田義男さんは小さかったけれど」 
 実は阪神ファンであってここでこの人の名前を出したのだ。
「凄い選手だったね」
「牛若丸ですね」
「守備も走塁も抜群で」
「しかも巧打者」
「伊達に永久欠番じゃないですね」
「体格で無理だと思ったり駄目出ししたら駄目なんだ」
 彼は言い切った。
「本当に。やりたいならやる」
「そうすることですね」
「大事なのは」
「そうだよ、僕も最初は不安だったけれど」
 子供の頃サッカーチームに入会した時のことを思い出しつつ話した。
「やってよかったよ、だから皆もね」
「体格で無理とか駄目と思わない」
「やることですね」
「そうすべきですね」
「絶対にね」
 こう言うのだった、そしてサッカー選手として活躍しワールドカップでもそうだった。誰も彼を小さいと言って馬鹿にしたりしなかった。小さなスターと呼ぶことはあっても。


小柄なサッカー選手   完


                     2023・11・18
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