暁 〜小説投稿サイト〜
ハドラーちゃんの強くてニューゲーム
第7話
[4/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
だ?教えておいた方が良いぞ。勝者にその名を懐かしんでもらう事ぐらいしか……敗者に出来る事は無い!」
が、アバンが立ち上がった事に気付いたハドラーちゃんは、さっきまで持ち上げていたロカを無造作に投げ捨てた。
「私の友から手を放せ」
「立ったか……だが、それが最後のチャンスの様だな?」
「ああ……だからこそ……レイラから貰った一握りの力を無駄にはしない」
この後どうなるか解っていたハドラーちゃんだったが、あえて呆れたふりをした。
「……本当に悲しい程不器用な職業だな?『正義の勇者』とやらは」
そして、アバンがアバンストラッシュの構えをとる。
「またそれか?俺の閃熱呪文(ベギラマ)を押し返す程の力は残っているのか?その不完全な技で?」
「それでも……渾身で放てる力が一撃分しかないのなら……私は、これに賭ける!私だけでなく皆の希望の一撃だからだ!」

その途端、デルムリン島でのダイとの最初の戦いを思い出すハドラーちゃん。
「先生の技がどれだけすごいか……受けてみろーーーーー!」
「くたばれ!……何!?」
「アバン……ストラーッシュ!」
(あの時のダイは……この俺がキメラのつばさに頼る程の一撃を放ったが……今のお前に出せるのかアバン……今のお前に……)

「それに足りない何かを掴むなら、これ以上の瞬間は無い!何故なら……」
そう言われてふとロカの方を見るハドラーちゃん。
「そう言う事か……『正義の勇者』はつくづく不器用な職業だ」
そう言うと、ロカがアバンを代表するあの技に巻き込まれない様蹴り飛ばすハドラーちゃん。
「平和な暮らしを!大切な友を!残酷に踏みにじったお前に対して!初めて奇跡の一撃を繰り出せたあの時と!今、私は限り無く等しい気持ちになっているからだ!」
「だったら……俺の閃熱呪文(ベギラマ)を圧し返して魅せよ!カール城での初対戦(あのとき)の様に!」
だが、今のアバンに閃熱呪文(ベギラマ)を放つのを待つ程の義理も余裕も無い。
「アバンストラッシュ!」
「むっ!?」
ハドラーちゃんは咄嗟に覇者の剣でガードするも、結局押し敗けて吹き飛んでしまった。
(『正義の勇者』はつくづく不器用な職業だな……気持ち1つで技の威力がこんなに変わるとはな)

ハドラーちゃんが去った直後にアバンの所に到着したマトリフは、皆を安否を確認したが、
「気ィ失ってやがる……」
唯一喋れたロカが、どうにか口を開く。
「アバンが……なんとか魔王を追っ払った……」
「ロカ!」
「俺よりアバンとレイラを……」
しかし、ガンガディアもアバンの所に到着してしまった。
「あーらま、お早いお着きで。相変わらずタフだな」
その時、吹き飛ばされたハドラーちゃんが、空気を読むかの様に雄たけびを上げた。
「!?まさか……勇者がハド
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ