第二章
[8]前話
「食べちゃうでしょ、けれどお臍からメロン出る」
「メロンの種が」
「ないでしょ」
「そうね」
彩奈も言われて頷いた。
「そういえば」
「蜜柑にもたまに種あって」
「そのまま食べる人いるわね」
「けれど蜜柑も出ないでしょ」
「言われてみれば」
「西瓜も同じよ。何でも消化されて終わりらしいわ」
身体の中でというのだ。
「だからね」
「安心していいのね」
「そう、私ずっと西瓜種ごと食べてるけれど」
言っている傍からそうしている、赤い西瓜を実際に種ごと食べている。
「一度もね」
「西瓜の芽出たことないの」
「それでね」
そのうえでというのだ。
「メロンだってそうだし葡萄だって間違えて」
「種食べちゃうことあるわね」
「けれど何もないから」
「安心していいのね」
「そうよ、だから西瓜の種もね」
これもというのだ。
「食べても何ともないよ」
「じゃあ私も安心して」
「西瓜種ごと食べようね」
「それじゃあ」
彩奈は未可子の言葉に頷いた、そうしてだった。
それから西瓜の種も食べる様になった、だが一度もだった。
臍から西瓜の芽が出ることはなかった、それで中学生の時この時もクラスメイトだった未可子に小学生の時のことを話して言った。
「何であんなお話が出たか」
「ちょっと不思議よね」
未可子もそれはと応えた。
「西瓜の種食べたら駄目か」
「消化に悪いから?」
「それで?」
「それでも何でもないわよね」
「別にね」
「それで何で食べるなって言ったか」
「今思うと訳がわからないわね」
こう話すのだった、中学生になってから。そしてそれからも西瓜を食べる時は種も食べたがやはり何ともなかった。それでこれは迷信なのかと二人共思ったがある日やはり二人共トイレでわかったのだった。
スイカの種を食べると 完
2023・11・15
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