第二章
[8]前話
「お巡りさん立ち合いのうえで」
「それで、ですね」
「お会いしたいです」
「では先方にはその様にお伝えします」
「お願いします」
こう話してだった。
桐木は少女の母と会うことになった、するとその母親は。
黒髪はショートにしていて大きな明るい二重の切れ長の目でしっかりとした眉がある。顔は小さく顎の形はよく白い歯が奇麗で唇は赤く耳と鼻の形もいい。背は一六六程で均整の取れたスタイルで足が長い。楚々とした感じの女のことは違う。青のデニムのミニスカートがよく似合っている。
「佐藤有紀、博美の母です」
「お兄ちゃんあの時は有り難う」
女の子も一緒で挨拶をしてきた。
「お陰でお母さんと一緒になれたの」
「それは何よりだね」
桐木は女の子に笑顔で応えた。
「本当に」
「はい、それでお礼なのですが」
母親は桐木に手厚く包装されたそれを手渡した、そうしてだった。
二人はお互いのことを話した、すると有紀はたまたま桐木の会社の取引先の社員だった。それでだった。
桐木は取引先で有紀と会う様にもなった、有紀は酒乱で暴力癖のある夫と別れてからシングルマザーとなっていた。その彼女と何度も話すうちにだ。
仕事だけでなくプライベートの話をよりする様になり親密になってだった、そうして。
そのうえで結婚し桐木は有紀の夫それに女の子即ち博美の父となった、全ては迷子の女の子を助けてからだ。それで人生とは思わぬところがターニングポイントになるのだといつも言う様になった。仕事だけでなく家庭も充実している中で。
だが家でだ、彼は有紀に言われた。
「あなたがお酒飲んでも暴れなくて」
「それでなんだ」
「そう、それでね」
そのうえでというのだ。
「穏やかで優しい人でね」
「よかったんだ」
「あの時博美を助けてくれて」
そうしてというのだ。
「優しい人でね」
「よかったんだ」
「これは神様のお導きかもね」
「こうして一緒になれたことは」
「ええ、博美を助けてくれやこともね」
「それはなんだ」
「神様のお導きかもね」
こう言うのだった。
「若しかして」
「そうなんだ」
「そうも思うわ」
「そう言われるとそうかな、神様のお導きでね」
「私達は一緒になれたのかもね」
「そうかも知れないね」
夫婦になったうえで話した、有紀は今も奇麗だった。桐木は妻となったその彼女の顔を見つつ笑顔で頷いて言ったのだった。
美人ママさんと 完
2023・11・15
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