第一章
[2]次話
美人ママさんと
この時セールスマンの桐木雅孝は営業を終えて会社に戻っていた、だがその中でだ。
迷子の女の子を見付けてだ、警察に通報した。
するとすぐに制服の若い警官が来た、そのうえで細面で眼鏡をかけて穏やかな顔で一七〇位の痩せていて黒髪をショートにしたスーツ姿の桐木に言った。
「迷子の娘ですね」
「そうだと思います、公園で一人泣いていまして」
桐木は警官に答えた。
「通報させてもらいました」
「わかりました、それではすぐにです」
警官は桐木に応えて言った。
「身元を確認しまして」
「保護者の人にですね」
「連絡しますので」
「宜しくお願いします、じゃあ僕はこれで」
「あっ、よかったら連絡先を教えて下さい」
警官は立ち去ろうとする桐木に言った。
「保護者の方が見付かりましたら」
「連絡してくれますか」
「そうしたいので」
だからだというのだ。
「お願いします」
「わかりました」
桐木も疚しいところはないのでだ。
警官の言葉に頷き住所と自宅そして携帯の連絡番号を書いた紙それに会社の名刺を渡した、そうしてだった。
会社に戻って仕事をしてだった、夜は自宅に戻ったが。
そこで警官から連絡があった、それは彼にとっては吉報だった。
「そうですか、保護者の人がですか」
「あれからすぐに来てくれまして」
「それで、ですね」
「女の子は無事に保護されました」
「それは何よりですね」
桐木もその連絡に笑顔になった。
「本当に」
「そうですね、それでなのですが」
警官は携帯の向こうの桐木にさらに言ってきた。
「その保護者の方がお礼をしたいと」
「僕にですか」
「お話していますが」
「それは別に」
断ろうとした、お礼とかどうでもいいと思ったからだ。だが警官はその彼に言ってきた。
「いえ、どうしてもとです」
「あちらがですか」
「言われていまして」
「お会いすべきですか」
「そうかと」
「そこまで言われるなら」
それならとだ、桐木も仕方ないかと思いかつお礼にも期待する様になって頷いた、そのうえで警官に話した。
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