第二章
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「好きなの言えよ」
「じゃ、じゃあ牛乳を」
「紅茶にします」
「私も紅茶を」
「コーヒーお願いします」
「私はココアを」
「牛乳を」
それぞれ頼んだ、加奈は紅茶で真奈もだった。
加奈はそれぞれ入れて出した、そして自分も食べてだった。
真奈達にだ、今度はこう言った。
「食器はあたしが洗っておくから皆遊んでな」
「いつも悪いわね」
「悪くないよ、暇だしな今」
妹に笑って応えた、そして妹達をゲームで遊ばせて自分は食器を洗った。そんな彼女を見てだった。
真奈のクラスメイト達は彼女と一緒に遊びつつ言った。
「あの、本当にね」
「真奈ちゃんのお姉さん優しい?」
「ひょっとして」
「そうなの?」
「お姉ちゃんのお友達もよく来るけれど」
真奈はクラスメイト達に答えた。
「その人達にもああでお父さんお母さん親戚にもそうで」
「そうなの」
「誰にも優しいの」
「そうした人なの」
「カツアゲとか万引きとかいじめとか絶対にしなくて」
それでというのだ。
「高校の後輩の人達にも慕われてるの」
「へえ、そうなの」
「一見凄く怖そうだけれど」
「そんな人なの」
「うん、私にもいつも凄く優しいから」
自分にもとだ、真奈はにこりと笑って答えた。
「凄くいいお姉ちゃんよ」
「怖いのは外見だけで」
「実際はなのね」
「そうした人なのね」
「そうだからね、だから安心してね」
笑顔で言う真奈だった、加奈はこの日最後まで彼女達に優しかった。それで彼女達も加奈を優しい人と言う様になった。
やがて加奈はお寺の奥さんとなったがその頃にはもうヤンキーではなく普通のファッションになっていた。そして誰からもとても優しい人と言われる様になっていた。それは真奈に今の真奈の友人であるかつてのクラスメイト達もだった。もう誰も怖いとは言わなかった。
ヤンキー姉ちゃんは優しい 完
2023・11・15
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