第百四話 過ごしやすくなってその六
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「それでね」
「そうなんだ」
「そうなの、だから」
「松茸はなんだね」
「他にも舞茸とかエリンギとかしめじが好きなの」
「妹さん茸好き?」
「そうなの、ただ松茸は食べても」
それでもというのだ。
「なくてもいいってね」
「そんな風なんだ」
「そうなの。それでお父さんもお母さんも私も」
他の家族もというのだ。
「他の茸があったらね」
「いいんだ」
「そんな風だから」
「松茸にはこだわらないんだ」
「もう何年も食べてないけれど」
それでもというのだ。
「だからといってね」
「気にしてないんだ」
「松茸ご飯だって」
これもというのだ。
「しめじがあるしね」
「いいんだ」
「あとなめこも好きだし」
「お味噌汁に入れたりして」
「そうしてね、それでね」
「松茸はどうでもいいんだ」
「そうなの」
理虹の家ではというのだ。
「匂いもね」
「松茸っていうと匂いだけれど」
「それもね」
どうにもというのだ。
「いいと思わないし」
「一家全員で」
「そうだしね」
このこともあってというのだ。
「それでね」
「松茸はだね」
「いいのよ、それよりも」
「しめじとか舞茸とかで」
「椎茸ね」
こういった茸達だというのだ。
「特に妹は」
「椎茸好きなんだ」
「そうなの、ただね」
「ただ?」
「いや、私も椎茸好きで」
理虹は今度は自分のことを話した。
「バター焼きにしてお酒と一緒にね」
「食べるんだ」
「これが好きなのよ」
「椎茸のバター焼きだね」
「そう、妹も好きだけれど」
「理虹ちゃんもなんだ」
「お酒は焼酎ね」
酒の話もした。
「ロックで飲んで」
「それよさそうだね」
古田もここまで話を聞いて頷いた。
「確かに」
「そうでしょ、実際にね」
「美味しいんだね」
「ええ、茸以外にも秋は色々美味しいし」
食欲の秋、理虹はこの言葉を思い出しつつ脳裏に様々な食材を出しながら古田に対して話していった。
「いいわね」
「今お話してる通りにね」
「栗だってね、栗食べて」
そしてというのだ。
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