第百四話 過ごしやすくなってその一
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第百四話 過ごしやすくなって
まだ暑いとは思った、だが。
理虹は部活で走ってから周りに言った。
「涼しくなったね」
「そうよね」
「ちょっと前と比べたら」
「幾分かね」
「ましになってきたわね」
「風も涼しいし」
「日差しも柔らかくなったし」
周りもこう応えた。
「運動しやすくなったわ」
「夏のこと考えるとね」
「スポーツの秋っていうけれど」
「やっぱりね」
「また違うね」
「そうよね、この季節がね」
理虹は自分のタオルで汗を拭きつつ話した。
「いいのよね」
「そうそう、秋がね」
「部活しやすくてね」
「特に私達みたいな陸上部はね」
「走ってばかりだし」
「快適よ」
「ぶっちゃけ真夏に走るのは」
これはというと。
「日中やるなんてね」
「出来ないわよね」
「どうしてもね」
「それはね」
「熱中症になるからね」
「うちの学校ケアに五月蠅いから」
スポーツは科学であり身体的な無意味な負担は戒めているのだ、だから熱中症にも気を付けているのだ。
「熱中症にも気をつけてるしね」
「だからお昼の暑い時は外じゃ走らなくて」
「屋内でやってたしね」
「水分もよく摂ってるし」
「塩分だってね」
「けれど今の季節は」
秋になってくればというのだ。
「そうした心配もなくなってね」
「気持ちよく走られて」
「それでよね」
「何か記録もね」
「伸びる感じがするのよね」
「実際夏走るより」
それよりもとだ、理虹は話した。
「秋とか春に走る方が調子いいわね」
「少なくとも練習の時はね」
「そんな感じするわね」
「夏は暑くてね」
「どうしても時間が長くなるけれど」
「それがね」
夏でないならというのだ。
「調子もいいわよね」
「どうしてもね」
「そうなるわよね」
「涼しい方が走りやすくて」
「練習もやりやすいわね」
「だからね」
それでというのだ。
「いい季節になってきたってね」
「思うわよね」
「夏の暑いのが終わって」
「秋になってきた」
「それがね」
「嬉しいわ」
理虹は心から喜んで話した、そうした話をしながら部活をしてその後は古田と一緒に帰ったがその電車の中でだ。
古田は車窓の外を見てだ、こんなことを言った。
「暗くなったね」
「ちょっと前までこの時間でも明るくなったのにね」
理虹は隣の席から応えた、二人並んで座っているのだ。
「それがね」
「うん、もうね」
「暗くなってきたわね」
「秋になったら」
それならというのだ。
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