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イベリス
第百二十四話 相手の好みその十三

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「それで国民は餓えてね」
「弾圧もされて階級もあるから」
「あんな国に生まれたら」
 娘にまさにと言うのだった。
「幸せじゃないでしょ」
「まともな恋愛も出来ないしね」
 咲はついつい近藤のことを思って言った。
「それじゃあね」
「あの国が好きな人もいるけれど」
「そんな人は変態みたいなものね」
「巨人のオーナーと一緒でしょ」
「あそこの将軍様は」
「例えられもしてるし」
 そして巨人は球界の北朝鮮だ、球界の盟主の実態はそんなものであるのだ。
「あのオーナーとかあの国を好きだと」
「変態と思っていいわね」
「お母さんはそう思うわ」
「まあ私もね。どう見てもとんでもない国だし」
 咲が見た北朝鮮もそうだった。
「あの国にだけは生まれなくてよかったわ」
「そうね」
「他にも大変な国歩けれど」
 八条学園は東京校の方も世界各国から人が集まる、だから色々な国の内情を聞くことも出来てそれで咲も知っているのだ。
「あそこはね」
「特にでしょ」
「とんでもない国ってね」
 その様にというのだ。
「言えるわね」
「そうね」
「日本も色々あるけれど」
「トータルで見ていい国でしょ」
「漫画やラノベが好きなだけ読めるし」
 また趣味の話をした。
「ゲームも出来てアニメも観られる」
「それだけで違うでしょ」
「趣味が楽しめたら」 
 それならというのだ。
「私としてはね」
「いいでしょ」
「ええ」
 こう母に答えた。
「何かと便利だし」
「少なくとも北朝鮮よりはね」
「ずっといい国ね」
「あの国は最悪って言っていいけれどね」
「それでも日本はいい国ね」
「そうよ、本当にね」
「そうよね、じゃあその日本でね」 
 咲は考える顔になって話した。
「私これからもね」
「活きてくのね」
「そうするわ」
「大人になってもよね」
「それで東京に」
 今自分達が暮らしている街にというのだ。
「住みたいわ」
「東京ね」
「やっぱりいい街よね」
 東京のことも言うのだった。
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