第百二十四話 相手の好みその十一
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「実感はね」
「それはわかるわ」
「何かあって」
「そう、それでね」
「そうしたことが実際にあって」
「そうよ」
まさにというのだ。
「世の中ってね」
「そうなの、ただ」
「ただ?」
「いきなり将軍様に粛清とかはないでしょ」
「北朝鮮みたいな」
「あそこはああした国でしょ」
北朝鮮という国はというのだ。
「そうでしょ」
「そうよね」
咲もその国のことを知っていて言葉を返した。
「将軍様の気分次第でね」
「粛清とかね」
「あるでしょ」
「そうした国ね」
「日本にはないから」
こうしたことはというのだ。
「安心してね」
「それはいいことね」
「あの国みたいな国にいたら」
「何時理不尽に死ぬかわからないわね」
「それがないてことはね」
「いいことね」
「あそこはさらにね」
母は北朝鮮のことをさらに話した。
「階級あるでしょ」
「共産主義でも」
「その筈だけれどね」
共産主義は階級を否定しているがだ。
「あって自由な結婚はね」
「出来ないのね」
「だからね」
それでというのだ。
「このことでもね」
「かなり嫌よね」
「食べものもないし」
北朝鮮はこのことでも有名だ。
「そのことでも死ぬから」
「飢え死にね」
「そうなることは嫌でしょ」
「絶対にね」
咲もそれはと答えた。
「それは」
「そうなることもよ」
「嫌よね」
「あそこに生まれたら碌な死に方しないかも」
「そうよ」
まさにというのだ。
「その確率がね」
「高いのね」
「それで恋愛もね」
これもというのだ。
「出来ないわよ」
「自由なそれも」
「階級のせいでね」
「ううん、余計にね」
咲はそのことも聞いて言った。
「あそこにいなくてよかったわ」
「そうでしょ」
「地獄みたいな国ね」
「地獄よ」
まさにというのだった、母も。
「あそこはね」
「どう見てもね」
「だからああした国にいないことも」
このこともというのだ。
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