第百二十四話 相手の好みその十
[8]前話 [2]次話
「その分ね」
「そうしたことも経験するのね」
「そうよ」
「それも人生なのね」
「ええ、このことも覚えておいてね」
「そうしていくわ。皆ずっと一緒には」
「人はそれぞれの人で何時死ぬかわからないからね」
「それは無理ね、そういえば」
咲はモコも見た、今は寝ている。
「モコもとも」
「そうよ、モコなんか特にね」
「犬は人より寿命が短いから」
「だからよ」
その為にというのだ。
「お父さんもお母さんも咲もね」
「モコその時を」
「ちゃんと見届けることよ、そうすることもね」
「家族なのね」
「ええ、犬も猫も最後の時までね」
世を去るその時までというのだ。
「家族によ」
「一緒にいて欲しいのね」
「だからね」
「モコとも」
「そうしてあげてね」
「そうするわ」
咲も約束した。
「それじゃあね」
「そう、モコはね」
「犬だからね」
「今言ってる通りにね」
「私達よりも早くね」
「何かない限り」
家族にというのだ。
「モコの方がよ」
「早く死ぬから」
「それまでの時間を大切にして」
一緒にいるそれをというのだ。
「それで最後はね」
「傍にいることね」
「最後まで一緒だったら」
それならというのだ。
「モコだって幸せよ」
「ずっと家族と一緒だから」
「このこともよ」
ずっと一緒にいることもというのだ。
「ペットには嬉しいことだから」
「そうすることね」
「そう、それで何かはね」
それはというのだった。
「残念だけれどね」
「誰でもなのね」
「あるから」
「昨日元気だった人が急にとか」
「本当にあるのよ」
「朝起きたらお亡くなりになったりとか」
「あるのよ」
実際にというのだ。
「これがね」
「そうしたものだから」
「人生はね」
「私だってそうよね」
「そうよ、誰だってね」
それこそというのだ。
「明日起きたらとかね」
「あるのね」
「お母さんだってよ、それでね」
「それもまた人生ね」
「それで世の中だから」
母は咲に真剣な顔で話した。
「覚えておいてね」
「そうするわね、しかし」
「しかし?」
「わかってるつもりでも」
母の今の話はとだ、咲は言うのだった。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ