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第四十三話 弔後その九

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「目が」
「泣いているな、人間感情が昂るとな」
「こうなるのね」
「そうだ、痛くても嬉しくてもでな」
「辛くて悲しくても」
「泣く」
「だから私は泣いているのね」
 自分で言うのだった。
「目が熱くなって涙が」
「出て来たな」
「流れてきたわ」
 見ればそうなっていた、表情は変わらないがそうなっていた。
「悲しくて」
「星史郎さん、友達が亡くなってな」
「そうなのね。ただ想うのはそれだけで」
 それでと言うのだった。
「星史郎さんを死なせる形になった天の龍の」
「昴流さんはか」
「星史郎さんは自分から死んだ様なもので」
 それでというのだ。
「あの人は星史郎さんにお姉さんを殺されているから」
「だからだな」
「怨む気持ちにはなれないわ」
 涙を流しつつ話した。
「それはね」
「そうだな、あの人はあの人でな」
「こうした気持ちの中にいるわね」
「むしろ俺達以上にな」
「私達よりも深い絆があったから」
「かつて。三人でな」
「そうね。私もわかっているから」 
 このことがというのだ。
「決してね」
「昴流さんを怨まないな」
「むしろこの感情は」
 昴流に対するそれを今感じ取って封真に話した。
「気になってどうなるかと思って不安になる」
「それが心配だ」
「その感情ね」
「その感情を今だ」
「私は昴流さんに対して持っているのね」
「そうなる」
 まさにとだ、封真は颯姫に答えた。
「そしてその感情もだ」
「人間にあるものね」
「その通りだ」
「わかったわ、この感情忘れないわ」
「心配もだな」
「悲しみも。だからビーストに言ったのね」
「もうこれ以上誰も失わないとか」
「そのこともわかったわ、そしてビーストも」
 彼もというのだ。
「友達だから」
「失いたくないか」
「そう思うわ」
「わかった、ならな」
「それならなのね」
「そうしていくことだ、仲間つまり友達はな」
「何時までも一緒にいて欲しいと思うことが自然ね」
「そうだ、だからな」
 それ故にというのだ。
「ビーストに対してもだ」
「そうして接していけばいいわね」
「ああ、戦いが終わってもな」
 それからもというのだ。
「そうしていけばいい」
「わかったわ、では今からね」
「お茶を飲むな」
「そうしましょう」
 こう話してだった。
 颯姫もお茶を飲む中に入った、三人でそれぞれお茶を飲み庚が戻ると彼女の提案でケーキは夕食後のデザートになった。
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