暁 〜小説投稿サイト〜
X ーthe another storyー
第四十三話 弔後その六

[8]前話 [2]次話
「そうなるわね」
「運命は一つでも絶対に決まっていることでもない」
 神威はこうも言った。
「だからな」
「それでよね」
「俺達の行動次第でな」
「運命はこれからも変わっていって」
「最高でなくてもな」
 それでもというのだ。
「次善の結末はだ」
「迎えられるね」
「きっとな、だから運命をな」
「これからもね」
「変えていこう」
「そうね、皆で力を合わせてね」
「そうしていこう」
 残った二人で話してそれから自分達の教室に戻った、その日の放課後封真は新宿駅のところを歩いていたが、
 護刃犬鬼を連れた彼女と擦れ違った、そこでお互いに気付いた。
「君は」
「貴方は」
 お互いに足を止めて顔をやって言い合った。
「神威さんと小鳥さんのご家族の」
「神威と小鳥の友達の」
「そうでしたね」
「ああ、君もだな」
「はい」
 護刃はここでだった。
 封真と間合いを取って身構えた、犬鬼も唸る。だが。
 封真は真剣な顔でだ、その護刃に告げた。
「今は止めよう、前と状況が違う」
「結界を張ってもですか」
「少なくとも俺は戦う気はない」
 こう言うのだった。
「今はな」
「まさか」
「星史郎さんのことが気になってな」
 その為にというのだ。
「今はそんな気になれない」
「だからですか」
「それに今からものを買いに行くんだ」
 封真は微笑んでこうも話した。
「ケーキをな」
「ケーキですか」
「皆ケーキが好きなんだ」
 微笑んだままでだった、封真は護刃に答えた。
「だからな」
「今からですか」
「美味いケーキ屋があると聞いている」
 封真はこうも言った。
「それでそのお店に行ってな」
「ケーキを買って」
「皆にご馳走したいんだ、だからな」
「だからこれですか」
「今は戦いたくない」
「では」
「また会おう」
「はい、こちらこそ」
 こう言葉を交えさせてだった。
 二人は別れ封真は新宿の百貨店の一つにある店でケーキを人数分買ってそのうえで都庁に行った。そこでだった。
 ケーキを出そうとしたがいるのは??だけだった。
「誰もいないのか」
「僕以外には颯姫さんだけがです」
 ??は自分の席から答えた。
「おられます」
「そうか」
「他の人はまだお仕事で」
 それがあってというのだ。
「来ていません」
「そういえばそんな時間か」
 封真は??に言われ壁の時計を見て言った。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ