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第四十三話 弔後その五

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「仲間以上のだ」
「そうした相手だな」
「お前もな、だからな」
 それでというのだ。
「小鳥についてはな」
「よりだな」
「失いたくない、そして仲間達もな」
「全員だな」
「失いたくない、そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「この戦いもだ」
「終わらせるな」
「そうしたい」
「そうだな、俺達はもう誰も失いたくない」
 封真は再び答えた、澄んだ顔と声で。
「絶対にな」
「そうだな、ならな」
「お互いだな」
「生きることだ、死なずにだ」
 どちらの者もというのだ、天の龍も地の龍も。
「戦いを終わらせるぞ」
「必ずな、ではな」
「ああ、またな」
「何かあったら話す」
「そうしてくれ」
 神威も澄んだ顔と声で答えた、そうして三人は話を終えて封真は屋上を後にした。その後で小鳥は彼が去った後を見つつ神威に話した。
「お兄ちゃん変わってないね」
「ああ、封真のままだ」
 神威も彼が去った後を見つつ答えた。
「今もな」
「地の龍になっても」
「地の龍でも人間ということだな」
「私達と同じ」
「そうだな、だからあいつもな」
「変わってなくて」
「元のままだ、だが」
 ここで神威はこうも言った。
「ああでいられるのはな」
「うん、何かね」
「お前が十字架にかけられていた時にだ」
「力を受けたけれど」
「それを撥ね返してな」
 そうしてというのだ。
「自分を保っている様だな」
「そうよね」
「そう考えるとよかった」
 心から言うのだった。
「本当にな」
「あの時お兄ちゃんがお兄ちゃんのままでいられて」
「小鳥も死なずに済んでだ」
 封真に殺されずというのだ。
「今もだ」
「ああしてお話が出来て」
「本当にだ」
「よかったわね」
「ああ、これならだ」
 神威は小鳥に微笑んで話した。
「まただ」
「三人で暮らせるわね」
「そうなる、叔父さんもな」
「怪我は順調に回復しているから」
「そうだな、退院すればな」
「お父さんもね」
 彼もというのだ。
「元気にね」
「戻れるな」
「そうなるわ」
「そうだな、前の様にな」
「皆仲良くね」
「暮らせる様になる」
「きっとね」
 神威に微笑んで話した。
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