暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第178話:愛に生きる騎士
[9/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


「うぶぉっ?!」

「「はぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」」
[必愛デュオシャウト]

 カリオストロはそのまま響と切歌により地面に叩き付けられ、出来たクレーターの中心にめり込んだ。攻撃を決めた響と切歌は、肩で息をしながらクレーターの中心に倒れるカリオストロを見降ろした。

「うぐ……ぁ……さ、さん、じぇるま…………かはっ」

 ただでさえ先程不意打ちで脇腹をクリスに撃たれたダメージがあるのに、ここに更にユニゾンで出力を増したイグナイトの合体技を喰らっては一溜りもない。カリオストロは転移結晶で逃げようとしたようだが、意識を保ち続ける事が出来ず取り出した小瓶は小さな音を立てて地面に落ちただけだった。
 そして意識を失ったカリオストロのファウストローブは解除され、それを見て響と切歌も安堵の溜め息を吐きイグナイトを解除する。

「はぁ〜……か、勝てたぁ……」
「ふへぇ〜。もうクタクタデ〜ス」

 疲労困憊と言った様子の2人に、クリスを横抱きにした透が近付いて来た。レギオンファントムを退けた後、こちらも限界に達したのか崩れ落ちそうになったのを透が抱き上げて連れてきたのだ。

「あ、透君ッ! クリスちゃんッ!」
「2人も大丈夫だったデスねッ!」
「おぅ」

 近付いて来た2人にクリスも返事を返す。その間もクリスは透にお姫様抱っこをされたままであり、その光景に響と切歌も思わず目を瞬かせた。

「えっと……何か、前よりも距離近くない?」

 響の指摘にクリスは一度透の顔を見る。彼女と目が合うと透は優しく微笑み、クリスはそれに頬を赤く染めるとそのまま彼に甘えるようにギュッと抱き着いた。
 今までずっと疎遠になっていた反動だろうか。透は透でクリスから自分を前に出せと言われ、それに従う様に自分に正直に愛しいクリスの事を絶対に離さないと言う様に抱きしめる。

 その光景に響も切歌も思わず顔を赤くした。

「あわわわわわッ!」
「ク、クリス先輩も透先輩も大胆デ〜ス……!」

 結局2人は、今まで以上に距離が近くなった透とクリスのラブラブっぷりを間近で見せられ続け、亜空間から脱出に成功した装者達もその光景に顔を赤くしたり目を丸くしたりと様々な反応を見せるのだった。




***




 翌日、透とクリスはソーニャとステファンと共にクリスの両親の墓前を訪れていた。ソーニャは2人の墓前に花を手向け、2人の死を悼み静かに手を合わせる。その隣ではステファンも姉に倣って、クリスの両親の死に哀悼の意を表していた。

 心の底から自分の両親の死を悼んでくれるソーニャに、クリスは素直に感謝した。

「ありがとうな。ソーニャ、ステファン」
「良いのよ。何時かは来たいと思っていたし。これで私も、本当の意味
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ