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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第178話:愛に生きる騎士
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ある。

 当然、イグナイトを起動したシンフォギアとの戦闘など考慮していなかったカリオストロは、その爆発力に思わず慄いた。だがそれ以上に彼女にとって予想外だったのは、響と切歌がユニゾンして攻撃してきた事である。

――これって、ユニゾンッ!? ザババの刃だけじゃないのッ!?――

 実は弦十郎は、既に敵が切歌と調のユニゾンこそがある種の弱点にもなると言う事を読んでいた。2人のユニゾンは確かに強力だが、敵に知られれば当然分断を狙われる。
 故に、彼はこの数日で装者達にギアの特性に頼らぬ、様々な組み合わせで歌を重ねられるように特訓を施していたのだ。

 その特訓の成果、絆のユニゾンが今ここに形を成した。

「うぉぉぉぉッ!」
「デースッ!」

 響と切歌が歌をユニゾンさせ、フォニックゲインを高めた一撃をお見舞いする。これを見て、カリオストロは俄然これを放置する訳にはいかないと気合を入れた。

「賢者の石の輝きを封じた上にユニゾンッ! こんなの、サンジェルマン達にやらせる訳には――」

 もう出し惜しみしてはいられないと、カリオストロは両手の魔力を込め最大出力の攻撃を2人に見舞おうと構える。

「やらせるわけにはァァッ!」

「何あれッ!?」
「何だか分からないけど、ヤバそうデスッ!」

 難しい原理は分からずとも、直感であれが差し違え覚悟の一撃を放つ前兆である事を見抜いた2人。それを証明する様に、カリオストロはその全力を解放するべく2人に襲い掛かった。

「あーしの魅力は爆発寸前ッ!」

 このカリオストロの本気を前に、響と切歌も勝負に出る。魔力の光を帯びて殴り掛かって来るカリオストロの拳に、響が同じように拳を握って迎え撃つ。強烈な相手からの一撃を、響の握り締めた拳が受け止めた。

「ぐ、ぅぅぅぅぅぅぅ……!」

 拳を砕かれそうになるほどのカリオストロからの圧力に、イグナイトを起動したとはいえ流石の響も押されて後ろに下がらされる。これ幸いと、カリオストロは更に力を込めて響をこのまま粉砕しようとした。

「おおおおおおおッ!」

「ッ、切歌ちゃん!」

 相手が更に力を込めようと一瞬圧力を緩める、その瞬間を響は待っていた。この僅かな間隙に、響は腰のブースターを点火し体を浮き上がらせ足を後ろに伸ばす。そこに背後から迫った切歌と足底部同士を連結、そして両者のブースターを最大出力で噴射させ錐揉み回転しながらカリオストロを逆に押し返した。その圧力は、全力のカリオストロすらも凌駕していた。

「な、嘘……!?」

 まさか自分が押し返されるとは思っていなかったカリオストロは、驚きのあまり体を強張らせた。その瞬間2人は更に攻撃を押し込み、響の拳が回転しながらカリオストロの腹に突き刺さった。
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