暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第178話:愛に生きる騎士
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まだ先程レギオンファントムに亀裂を付けられたダメージが残っているのか、肩で息をし透に支えられている状態だがそれでもその眼差しには必殺を感じさせる強い心が宿っていた。
レギオンファントムが見ている前で、クリスはライフルをその場に捨て自分の足で立った。
「透、決めるぞ……!」
クリスの言葉に頷くと、透が手を翳す。それを合図にしたようにデュラハンが再び透の鎧として装着されると、彼は指輪を付け替えてハンドオーサーに翳した。
〈イエス! キックストライク! アンダスタンドゥ?〉
透が魔法を発動すると、鎧が勝手にパージされてクリスを挟んで反対側にデュラハンが現れる。そして3人並んで空中にジャンプすると、クリスのギアの装甲が変形してミサイルをベースにした大型のブースターが3人を固定。
その状態でレギオンファントムに向けて飛び蹴りしながらブースターが火を噴き射出された。
「いっけえぇぇぇぇぇぇっ!!」
[MEGA DETH TRIDENT]
クリスを中心に透とデュラハンが並んで飛び蹴りを放つ、透とクリスの合体技『MEGA DETH TRIDENT』。レギオンファントムはその一撃を正面から受け止めた。
「ぐぬぅぅぅぅぅぅぅ…………!」
ハルメギドにより亀裂を作り出して止めようとするが、透とクリス、そしてデュラハンの力を合わせた一撃はそれすらも打ち破ってレギオンファントムを粉砕せんと迫った。
そして長い拮抗の末、白旗を上げたのはレギオンファントムの亀裂の方であった。
「なっ!?」
亀裂に罅が入ると言う表現もおかしな話だが、罅割れた亀裂はまるでガラスが砕けるように散り防ぐものが無くなった透たちの蹴りはレギオンファントムを大きく吹き飛ばした。
「ぐぉぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
蹴り飛ばされたレギオンファントムはそのまま別の建物へと突っ込み、そのビルの倒壊に巻き込まれた。
レギオンファントムが崩れるビルの下敷きになったのを確認すると、着地したデュラハンは鎧として透に装着される。アーマードメイジに戻った透は、レギオンファントムが下敷きになったビルを一瞥してから彼女を目を合わせ互いに頷き合うのだった。
***
一方、カリオストロの方も響と切歌の2人を相手に予想外の苦戦を強いられていた。
「くっ!? どうしてイグナイトが? 賢者の石の輝きを受けて、何故ッ!?」
カリオストロ達パヴァリア光明結社の錬金術師にとって、賢者の石の浄化の輝きでイグナイトを封じる策はある種の頼みの綱であった。だが彼女達の与り知らぬところで、装者達はそれに対する対策を既に手にしていた。
それは彼女らファウストローブを纏う錬金術師にとっても予想外の事態だったので
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