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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第178話:愛に生きる騎士
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ントムであると。それが何処から出てきたか?
レギオンファントムは直感的にその答えに行きついた。
「コイツは……まさか……!」
本来であればあり得ない出来事に慄いていると、デュラハンを通じてレギオンファントムに透の心の声が響いた。
――お前……今、クリスに何しようとした……!
――クリスを、傷付けようとしたな……!
――許さない……許さないッ!!
温厚な透からは想像もできない程の怒りに震えた声。その声に呼応するように、デュラハンは手にした剣でレギオンファントムを切り裂いた。
「ぐぁぁぁぁぁぁっ?!」
デュラハンの一撃に大きく吹き飛ばされたレギオンファントム。それと同時に亀裂が消え、自由になったクリスが崩れ落ちそうになるのを透が支えた。
「うぁ、ぁ……透?」
苦痛から解放されたクリスが、透の腕の中から彼を見上げる。怒りに駆られた姿を、仮面越しとは言えクリスに見られてしまった事に思わず身を強張らせる透であったが、そんな彼にクリスは優しく微笑みながら彼の頬をそっと撫でた。
「へへっ……ありがと、透」
嘗ては、自分の為に怒ってくれた彼から逃げてしまい彼を傷付けた。だが今度は逃げるような事はせず、クリスは自分を想って怒りを露にしてくれた彼を優しく受け止める事が出来た。その彼女の愛に、透は心がスッと軽くなるのを感じた。
もう、恐れる事など何もない。透はクリスを支えたまま立ち上がり、自身の隣に立つ己の分身とも言えるファントムと向き合った。首の無い騎士であるデュラハンは、存在しない頭で透の事を見返す。
お互い見つめ合う透とデュラハンは、言葉も交わす事無く頷き合い拳をぶつけ合う。透は右の拳を、デュラハンは左の拳を。お互いに拳をぶつけ合うと、デュラハンの体が光となって透の右手に集まっていく。
その光の中心にあるのは1つの指輪。透がファントムの力を引き出す時に使う、スペシャルの指輪だった。全ての光がその指輪の中に納まったのを確認すると、透は右手をハンドオーサーに翳した。
〈イエス! アーマースぺシャル! アンダスタンドゥ?〉
透が魔法を発動すると、魔法陣からデュラハンが飛び出してきた。そしてその体がそれぞれの部位ごとのパーツに分かれると、そのまま透の体にフィットする鎧となって装着される。アーマードメイジとなった透は、デュラハンの剣を携えレギオンファントムに切っ先を向けた。
対するレギオンファントムは、今し方の光景に信じられないと声を震わせる。
「まさか……こんな……ファントムが、器である人間にここまで心を許すなどと……」
ファントムは最終的に器である魔法使いの命を奪ってこの世に姿を現す存在だ。故に、器を傷付ける事無く外に飛び出してくるなど普通
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