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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第178話:愛に生きる騎士
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無理があったらしい。

 ハンドガンを用いる接近戦で対抗しようとしたが、苦も無く弾かれた挙句首を掴まれ持ち上げられた。

「あぐっ!? ぐぅ……」
「ふん……手古摺らせてくれたな。だが、これで……!」

 レギオンファントムは一度持ち上げたクリスの首から手を離したかと思うと、彼女が着地する寸前に彼女の体をハルメギドで切り裂いた。その瞬間悍ましい光を放つ赤い亀裂が彼女の体に刻まれる。

「あ゛ッ!? か……!?」
「クリスッ!?」

 遠くからその様子を見ていたソーニャが思わず悲鳴のような声を上げる。一方レギオンファントムはと言うと、漸く己の快楽を満たせる瞬間が来たかと満足そうに頷いた。何しろこの場に他の魔法使いは居らず、装者はカリオストロにより分断されまたは足止めされている。透も暫くは動けない。誰の邪魔も入らず、ゆっくりとクリスの心を壊す事が出来た。

「さぁて、いよいよだ」
「うぁ……ぁ、ぁ……!?」
「この娘の美しい心。降り積もったばかりで汚れの無いバージンスノー、それを踏み荒らす快楽を今こそ……!」

 体を切り裂かれ、心に無理矢理穴を抉じ開けられた苦痛にクリスが苦悶の声を上げる中、レギオンファントムが彼女の体に手を掛けようとした。

 それを見て、ステファンが咄嗟に近くに落ちていた木の棒を蹴り飛ばした。恐らくはイスかテーブルの足だったのだろうそれは、クルクルと回転しながら真っ直ぐレギオンファントムに向け飛んでいく。

「クリスから離れやがれぇぇッ!」
「むっ! んん?」

 所詮少年が蹴り飛ばしたただの木の棒、当たっても蚊が刺した程度にも感じないものでしかなかったが、それはレギオンファントムの気を一時でも引くには十分なものであった。お楽しみの邪魔をされて、レギオンファントムの視線がステファンとソーニャへと向く。

「ふむ…………フンッ!」

 暫しステファン達を見ていたレギオンファントムは、徐にハルメギドを振るい衝撃波を2人に向け飛ばした。ただの人間でしかない2人はその衝撃波に抗う事が出来ず、木っ端の様に飛ばされ地面に叩き付けられた。

「うわぁぁぁぁぁぁっ!?」
「きゃぁぁぁぁぁぁっ!?」

「フン……他人の為に勇気を振り絞るその心、この娘には及ばないがそれなりに美しい。デザート代わりにこの娘の後…………うん?」

 ステファンに気を取られていたレギオンファントムだったが、ふとある事に気付く。何者かが自分の肩を掴んでいるのだ。
 一体誰だと振り返れば、そこに居たのは首の無い騎士。そしてその後ろに佇む、透の姿があった。

「何……?」

 思わず呆然として、レギオンファントムは透と首無し騎士デュラハンを交互に見る。同じファントムだからこそわかる。このデュラハンもまたファ
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