【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第2章】StrikerSの補完、および、後日譚。
【第10節】背景設定2: ミッドの歴史と地理について。(前編)
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本では一般に「表意文字」と呼ばれていますが、言語学的に言うと、『個々の文字が個々の「単語」を表現している』という意味で、「表語文字」と呼んだ方がより適切なようです。
また、上記の「文章語」は、要するに「漢文」のようなモノだと思ってやって下さい。昔の漢語と同様、当時の〈号天〉でも「話し言葉」と「書き言葉」は、相当にかけ離れていましたが、ミッドで古典教養になっているのは、あくまでも「書き言葉」の方だけです。
(ちなみに、古代ベルカ語も「方言の差が激しい言語」だったため、古典教養となっているのは、やはり「標準化された書き言葉」の方だけです。)】
なお、〈号天〉は太古より『異形の竜族が多数、生息する』という、生態学的にも特異な世界であり、さらには、『有史以来、一貫して男尊女卑社会で、父系主義にこだわり続けているため、今も「管理世界の一員」になることを(つまり、「法の下での、男女の平等」を受け入れることを)積極的に拒み続けている』という前近代的な世界でもあります。
【ちなみに、ベルカやミッドでいう「苗字」は基本的に「家族名」であり、「現在の所属」を表示した名前なので、結婚によって嫁入りした女性や婿入りした男性は、当然に自分の苗字を変えます。
(もしくは、「元の苗字」の後ろに「新しい苗字」を付け加えます。)
しかし、〈号天〉でいう「姓」は、基本的には「出身部族名」であり、「本来の出自」を表示した名前なので、結婚によって変わることは決してあり得ません。
しかも、徹底した父系主義で外婚制なので、男性が婿入りすることも、同じ姓を持つ男女が結婚することも、絶対にあり得ません。
結果として、『結婚した女性は、その家族の中で生涯、「異分子(別の姓の持ち主)」として扱われ続ける』ということになります。
こうした家族制度を始めとする、さまざまな生活習慣それ自体が「男尊女卑を当然とする感覚の温床」となっているので、〈号天〉の人々のそうした「感覚」はいつまで経っても是正されないのです。】
さて、ミッドとの初接触から百数十年の時を経て、〈号天〉は最初の天変地異に襲われ、それ以来、〈号天〉系の人々が次元航行船で遠路はるばるミッドを訪れることは絶えて無くなってしまった訳ですが、これもまた、ミッドの歴史においては、とても幸運なことでした。
他の世界からの「文化の流入」が一旦は途絶えたことで、『外来の要素を織り込みながら、自分たちの文化を再編する』ための時間的な猶予が与えられたからです。
それからさらに三百年余の時を経て、ベルカ世界からの船団が初めてミッドチルダ世界を訪れた時には、ミッドはすでに文化的にも経済的にも「それなり」の世界に成長していました。
それから百年ほど
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