【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第2章】StrikerSの補完、および、後日譚。
【第10節】背景設定2: ミッドの歴史と地理について。(前編)
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〈号天〉は、その後も長らく「過去の栄光を取り戻そうと、時おり近隣の世界に戦争を仕掛けることができる程度の国力」は維持していたのですが、今から800年あまり前に(ベルカ世界で「第二戦乱期」が始まる少し前に)再び「揺り戻し」のような〈次元震〉に見舞われた結果、さらに荒廃し、今ではもう他の世界に対する影響力を完全に失ってしまっています。】
二度にわたる天変地異によって、今ではもう見る影もなく没落してしまっていますが、その当時の〈号天〉は実に強大な国家でした。
ミッドを訪れたのは、ルーフェン経由でやって来た「交易商人の船団」だったので、それ自体は決して「軍事的な脅威」ではなかったのですが、その高度に発達した文化と文物は、ミッド人の意識を打ちのめすには充分なものでした。
何しろ、当時のミッド人にとっては、次元航行船を見るのも初めてなら、「全く言葉が通じない人間」を見ることすら初めてのことだったのです。
(当然ですが、当時はまだ「全自動翻訳機」などありませんでした。)
もちろん、当時のミッドには「惑星全体を代表できるような政府や組織」は、まだ存在していません。「この世界の名前(自称)」を訊かれても、「ミッドチルダ」と答える以外には、どうしようもありませんでした。
端的に言って、当時のミッドは『個々の氏族が統治する「個々の都市」を中心とした、何百もの伝統的な地域共同体が「なんとなく」一つにまとまっているだけ』といった状況で、まだ「国家という概念」すら明瞭な形では存在していなかったのです。
ただ、国家という「地域的なまとまり」が無かっただけに、地域間の「政治的な対立」や「軍事的な衝突」もまた存在していなかった(少なくとも、表面化はしていなかった)ことは、ミッドの歴史において、とても幸運なことでした。
やがて、「始まりの土地」にそのまま住み続けていた人々が音頭を取る形で、「何百もの地域共同体」は次第に「一個の国家」にまとまっていきます。
そして、その土地に新たに築かれた巨大都市パドマーレが、そのまま「ミッドチルダ中央政府の首都」となったのでした。
【巨大都市とは言っても、それはただ単に『当時のミッド人の普通の感覚としては、格別の大きさだった』というだけのことで、実際には、パドマーレの最初期の人口はせいぜい10万人程度だったようです。
(なお、当時の〈号天〉の人々にとっては、「人口10万人」というのは単なる「辺境の小都市」のサイズでした。)】
また、〈号天〉から伝わった「表語文字」は、ミッドでは古来、〈号天文字〉と呼ばれており、その文字で書かれた「文章語」は、ミッドでは今でも「古代ベルカ語」と双璧を成す「古典教養」として(あるいは、「高等教育を受けた証」として)扱われています。
【漢字は、日
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