【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第2章】StrikerSの補完、および、後日譚。
【第10節】背景設定2: ミッドの歴史と地理について。(前編)
[3/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
いましたが、旧暦の時代の温暖化により、それらの氷床は「すべて」融解しました。
その結果、一時期は大陸全土で「地肌」がむき出しになり、表土の流出が続いていましたが、今では(主に、コケ類ですが)植物もそれなりに生えて来ています。
(実は、この二つの大陸が「地続き」になったこと自体が「旧暦の時代の温暖化」の直接の原因なのですが……詳しくは、また「第一部」でやります。)】
なお、その〈第一大陸〉には当初、「家畜化できそうな動物」が全く住んでいませんでした。
(ついでに言うと、サルのような霊長類も、ネズミのような「小型の」齧歯類も、また、両生類の類も全く生息していませんでした。)
草食動物も、山羊や野牛など、妙に気性の荒い生き物ばかりで、『群れごと飼いならして、計画的に毛や乳や革や肉を手に入れる』という作業が(つまり、「牧畜」という作業が)全くできませんでした。
(現存するウマやウシやブタやヒツジなどは、すべて、ミッドチルダが1200年ほど前に「聖王家直轄領」となった後に、ベルカ世界からもたらされたものなのです。)
肉食動物の山猫や狼たちも、「突然この世界に現れた、二足歩行の奇妙な生き物」を警戒して、全く「人間」に近づこうとはしなかったため、人間の側としても、長い間、彼等を家畜化してイエネコやイヌのような「良き隣人」にすることができませんでした。
ネズミがいないので、イエネコもまた「必要不可欠の存在」という訳ではなかったのですが……優秀な猟犬がいないのでは、「狩猟」も、できることは限られて来ます。
それ故、ミッドチルダにおける〈最初の人々〉が、「農耕」と「漁労」を中心とする生活を送り始めたのは、全く当然の成り行きでした。
(幸い、穀物の種だけは、最初から大量に持ち込まれていたようです。)
その「内陸湖」は最初から塩水湖だったので、飲み水や灌漑用水などは別の場所に求めざるを得ませんでしたが、それでも、その内陸湖には魚が極めて豊富に生息していたため、〈最初の人々〉は誰も飢えずに済んだ、と伝えられています。
こうして、ミッドチルダには「魚食文化」が根づいて行きました。
(あるいは、〈最初の人々〉は「元の世界」でも伝統的に農耕と漁労が中心の生活を送っていたのかも知れません。)
後に、人口の増加に伴い、「分派」が内陸湖の周辺を離れて遠く別の土地へと移住する際にも、彼等の多くは「漁労」が可能な河川域や海岸部に新天地を求めました。
そして、当時は惑星ミッドチルダ全体が今よりもずっと寒冷な気候だったため、彼等はもっぱら大陸の南側に住み着き、やがて、ミッド人は「東西に長く伸びた〈第一大陸〉の南側半分」に広く分布するようになって行きました。
もち
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ