【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第2章】StrikerSの補完、および、後日譚。
【第9節】キャラ設定2: リンディ・ハラオウン。
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ァイゼンの家も焼かれ、もう帰る場所も無いのだ』と言います。パルドゥスとその妻ファムニスタは『行く当てが無いのなら、しばらくここに留まってはくれないか』と、彼をキャネリア家に引き止めました。
ヴェラルド自身も、最初は「ただの用心棒」のつもりでいたようですが、実のところ、ディサと「男女の仲」になるまで、さほどの時間はかかりませんでした。
しかし、パルドゥスとファムニスタにとっては、それも『計画どおり!』といったところだったのでしょう。
夫妻は喜んで、彼をキャネリア家に婿として迎え入れました。ヴェラルドにとっては、『ヴァイゼンの市民権を放棄して、戸籍をファストラウムに移した』という形です。
その後、新暦27年になって、二人の間にようやくリンディが生まれると、周辺の地価のバブル的な上昇を踏まえ、キャネリア夫妻はついに「不動産業者」の勧めに従って先祖伝来の農地を売却しました。使用人たちもすべて解雇したため、その日からいきなり「大きな屋敷で家族五人だけ」の生活となります。
土地の売却益が「相場をはるかに超える額」だったため、当面の生活には全く困りませんでしたが、それでも、今までの賑やかな毎日を思うと、それはいささか寂しい生活でした。
その後も、キャネリア家にはさらなる不幸が続きました。
翌28年には、まだ50代のパルドゥスとファムニスタが唐突に交通事故で死亡してしまいます。
完全に相手側の過失による事故だったので、またもや「相場をはるかに超える額」の賠償金が支払われましたが、一人娘のディサにとっては、そんなものは嬉しくも何ともありません。
夫ヴェラルドも、最初の頃はあんなに優しかったのに、年を追うごとにどんどん気難しくなってゆき、新暦30年以降は、もう働きもせず、ほとんど二階の書斎に閉じこもってばかりいます。
いつしか、幼い一人娘のリンディだけが、ディサの心の支えになっていきました。
そして、新暦32年の暮れ、ある寒い朝に、ヴェラルドは「緊張性気胸」で急死しました。起き上がって、こわばった体を伸ばしながら大きく深呼吸をした瞬間、全く唐突に左右の肺がそろって破れてしまったのです。
「以前から『生まれつき肺が弱い』みたいな話は聞いていたけれど、まさかこんなことになるなんて……」
ディサは夫の葬儀を終えてからも、しばらくは泣き暮らしていましたが、やがて年が明けると、娘のために立ち上がりました。
【この作品では、『リンディの「ファストラウムにおける小児時代」も、決して「あからさまに不幸だった」という訳ではないのだが、父親はいささか気難しい性格だった上に、彼女が5歳の時には早々と亡くなってしまったため、それなりに辛い思いも数多く味わって来た。だから、養女のフェイトには、もうなるべく辛い思いは
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