【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第2章】StrikerSの補完、および、後日譚。
【第7節】新暦75年の11月と12月の出来事。
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って良いのは、特別休暇を認められた時だけ』という扱いを受けることになりました。
【これも、「SSX」の設定とはやや食い違っており、「SSX」では78年6月の段階でも、ナカジマ家の四人組はまだ基本的には「海上保護施設」の方で生活しているようなのですが……それだと、『ノーヴェは一体いつからヴィヴィオにストライクアーツを教え始めたのか?』という話になってしまうので、取りあえず、この作品では上記のような設定で行きます。】
そして、同年の12月上旬、三元老は「9月19日の非常事態宣言」以来、それぞれに多忙な日々を送って来ましたが、今日は久しぶりにゆっくりと三人だけで「仕事以外の話」をする時間を持つことができました。
リナルドはすでに「局史編纂室」に引き籠っているので、新たに専属の「御世話役」となったメイド姿の女性たちが、三人の着席したテーブルに「茶菓子とグラス入りのお茶」を出して、三人の指示どおりに退室します。
「それでは、まず『前時代の遺物』を正しく排除できたことに、乾杯!」
ミゼットがグラスを目線の高さまで持ち上げてそう言うと、ラルゴとレオーネもそれに合わせました。もちろん、ここで言う「前時代の遺物」とは、「三脳髄」と〈ゆりかご〉のことです。
「いや。それにしても、『思ったことをそのまま口にできる』というのは、本当に素晴らしいことぢゃなあ」
ラルゴは、実にしみじみとした口調で胸の内を吐き出しました。これには、ミゼットとレオーネも大きくうなずきます。
「欲を言えば、乾杯する時ぐらいは、酒を出してほしいものぢゃが」
ラルゴはつい調子に乗ってそう続けましたが、今度は二人とも同意してはくれませんでした。
「あなた、もう何十年も前に、お酒は禁止されたはずよね?(呆れ顔)」
「酒は体のキレを鈍らせるからな。あんなものは、できるなら『生涯、一滴も飲まずに済ませる』に越したことは無いのだ」
元格闘系魔導師は、さすがに言うことが違います。
「お前は、本当につまらん男ぢゃなあ」
ラルゴはわざとらしく、大きな溜め息をついてみせました。
「まあ……立場上、健康に気を遣わねばならんのは、確かぢゃが……」
三人ともすでに九十代で、実のところ、それぞれに何かしら健康上の問題を抱えていました。それでも、少なくとも管理局が全体として「非常事態宣言」を続けている間は、最高責任者としてまだ倒れる訳にはいきません。
レオーネ「正直なところ、私たちも、もう長くは保たないのだろうな」
ミゼット「ええ。あと一年ぐらいのうちに、全部、ケリをつけましょう」
レオーネ(溜め息まじりに)「もう少し、時間に余裕があればなあ」
ラルゴ「では、いっそのこと、我々も脳髄だけの姿になって……。冗談ぢゃよ」
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