【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第2章】StrikerSの補完、および、後日譚。
【第7節】新暦75年の11月と12月の出来事。
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うん。さほどツブシの利く資格じゃないから、試験もさほど難しいものじゃないし。そのうちに、アルフにも同じ資格を取って正式に補佐についてもらうつもりよ」
レティはひとつ深々と溜め息をついてから、諦め顔でこう応えました。
「解ったわ。あの管理外世界の、一体何があなたをそこまで惹きつけているのかは、よく解らないけど、取りあえず、あなたの決意が固いことだけはよく解った」
(やっぱり、クライドさんの仇が討てた時点で、何かが燃え尽きてしまったのかしら?)
クライドが〈闇の書〉の犠牲になってから、リンディがどれほど真剣に生きて来たか、レティはよく知っています。だからこそ、そんな「誤解」をしてしまったのでしょう。
リンディの心の奥には、今はまだ他人には上手く言えない「ひとつの懸念」が深く根を降ろしていたのでした。(←重要)
そして、同日、リンディは上司に「転属願」を提出し、上司からの慰留の言葉をやんわりとした口調で(しかし、断固として)退け、その転属願を受理させてから地球に戻りました。
【そして、翌12月、リンディは辞令を受けて、正式に〈外97地球〉の「現地駐在員」となったのでした。】
また、同11月上旬、ちょうどリンディが地球に戻った翌日のことです。
〈本局〉の医療部では、ちょっとした「事件」がありました。67年の「戦闘機人事件」以来、丸8年あまりに亘って昏睡を続けていたメガーヌ准尉が「全く偶然にも」意識を回復したのです。
彼女は『戦闘機人事件で殉職したのではないか?』と疑われていたため、9月にミッド地上で、スカリエッティのアジトから身体的には無傷のまま(ただし、昏睡状態で)発見されただけでも、ゲンヤなど「昔の彼女を知る者たち」にとっては朗報でした。
あの日、メガーヌと三名の男性陸士が昏睡状態のまま、クロノ提督の艦隊に護送された医療船で〈本局〉へと移送された後、医療部の面々はこの四人を目覚めさせるために、いろいろと手を尽くして来たのですが……実のところ、今回のメガーヌの覚醒はその尽力の結果と言うよりも、むしろ原因不明の「単なる偶然」です。
医師たちにも「覚醒の原因」を特定することが全くできなかったため、残る三人の陸士たちは、なおも昏睡を続ける結果となりました。
メガーヌ・アルピーノ准尉(戸籍上、35歳)は、まずは一連の事情聴取を済ませた後、『自分が昏睡していた間に何があったのか』をひととおり聞かされました。『あれからすぐに夫や両親たちも殺されていた』というのは大変に悲しいことでしたが、当時まだ2歳だった娘が生きていてくれたことは、せめてもの幸いでした。
また、夫セルジオが8年前に、自分の死亡通知に対して「不服申し立て」を行なってくれてい
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