【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第2章】StrikerSの補完、および、後日譚。
【第6節】はやて、クロノやゲンヤとの会話。
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さて、新暦75年の10月上旬、ミッドの首都クラナガンの郊外では、イストラ・ペルゼスカ上級大将とレジアス・ゲイズ中将の「局葬」が合同で営まれました。
クロノとはやてはいろいろあって、ほとんど「三元老の名代」のような立場でその儀式に参列したのですが、何時間にも亘る式典が終わった頃には、二人とももう相当に疲れ果ててしまっています。
『この機会に、クロノやはやてと「つながり」を作っておこう』と考えている者たちが押し寄せて来る前に、二人はヴェロッサの手引きで素早くその場から抜け出し、そのまま彼が「おすすめ」するレストランへと直行しました。
三人はその店でそれなりの個室を貸し切り、ゆったりと夕食を取ることにして、まずは食前酒で乾杯をします。
「二人とも、お疲れ様。これで、ようやく〈ゆりかご事件〉の後始末も一段落かな?」
ヴェロッサの言葉に、クロノとはやても、安堵の表情でうなずきました。
こうして、以下、三人の歓談が始まります。
はやて「ところで……葬儀の席上、上座からモノ凄い目力で私らを睨んどった、あの金髪の美少女は、一体誰なんや?」
クロノ「ああ、それなら、マギエスラ嬢だろう。イストラ上級大将の初孫で、当年15歳。この春に士官学校を首席で卒業し、今は次元航行部隊で艦長を目指しているそうだ」
はやて「15歳で首席卒業? そんなら、メチャメチャ優秀な子なんやな」
クロノ「しかし、どうやら、彼女の頭の中では、僕は『善人の祖父を死の淵にまで追い詰めた悪党』ということになっているらしい。(溜め息)」
ロッサ「聞くところによると、イストラ上級大将は、家庭では本当に、良き夫で、良き父親で、良き祖父だったらしいからねえ。(苦笑)」
はやて「私には、お偉いさんの家族関係とかゼンゼン解らんのやけど……彼女が、イストラさんの初孫やということは……何や、他にも局内にペルゼスカ家の人たちとか、大勢おるんか?」
ロッサ「ペルゼスカの一族は元々がベルカ貴族の血筋で、自治領の方では今も有名な名家の一つだよ。イストラ上級大将自身は、先代の本家当主の長男だったが、五十年ほど前に『嫡子の座』を弟に譲って独り管理局に入った、という話だ。
彼の奥方は、今でこそ療養のために首都の郊外でひっそりと暮らしているが、昔は随分と活発な方でね。20代30代のうちに、元気な2男と2女を産んだ。
先の葬儀で喪主を務めていたのが、長男のザドヴァン。今では〈上層部〉法務部のお偉いさんで、マギエスラ嬢の父親だよ。しかし、彼の弟妹は三人とも局員ではなく、それぞれに家庭を築いてあちらこちらで普通に暮らしている。
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