【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第2章】StrikerSの補完、および、後日譚。
【第6節】はやて、クロノやゲンヤとの会話。
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はおけねえんだよ」
はやてとしても、確かに、その気持ちは解らないでもありません。
「実は、聖王教会の方でも、『少なくとも、セインだけは当方で引き取りたい』と言っておりまして……。と言うのも、彼女はちょっと特殊なISの持ち主で、もし彼女がその能力を使って悪さを始めたら、それを止められるのは、基本的には『同じようなISの持ち主』だけなんですよ。
それと、あの双子も、培養時に『余剰要素排斥』という特殊な措置を施されているので、感情的な要素がまだほとんど育っていません。それで、教会側は『あの双子を今から一般の家庭で育てるのは、かなり無理があるだろうから、できれば彼女らも当方で』とか言うとります」
「それじゃあ、他の四人については、もしも他に引き取り手がいねえようなら、優先的に俺の方へ回してやってくれねえか? あと四人ぐらいまでなら、この官舎でもなんとかなるだろう」
「解りました。決して、私に何か決定権がある訳ではないんですが……その線で、上層部の方にはひとつ『提言』をしておきましょう」
そこから先は、酒の話になりました。実は、はやてもゲンヤも、結構な「酒好き」なのです。
日本には、同じ樽の中で『デンプンの糖化と糖のアルコール発酵を同時進行させる』という「並行複発酵」の技術があるので、米のデンプンから直接に酒を造ることができるのですが、ミッドチルダには、何故か昔からその技術がありませんでした。
そのため、ミッドチルダの南岸部では、米を主食としているにもかかわらず、酒と言えば伝統的にもっぱら果実酒なのです。当然に、米もそのまま炊いて食べるための品種ばかりで、酒にするための品種改良など昔から全く行なわれていません。
(昔の地球からの移民も大半は漁民だったので、誰も「日本酒造りの技術」など携えて来てはいませんでした。)
そこで、はやてはゲンヤに『今度、地球へ行ったら、土産に純米酒を買って帰って来る』ことを約束しました。
そして、はやては帰り際に、もうひとつだけゲンヤに訊いておくことにします。
「ところで、また話は変わりますが……。一体どんな経緯で、アラミィ地方のヴィナーロ市の東側に『地球人街』が築かれたんですか?」
「済まんが、その経緯については、俺もよく知らねえんだ。実は、俺も昔、少し気になって調べてみたことがあるんだが、どうやら、何か『第一級の特秘事項』が絡んでいるらしくて、いくら調べても何も出て来ねえ。移民それ自体はもう60年も前のことだが、故郷は『日本の敷浜市』だと聞いたことがある」
「なんや、私の故郷の海鳴市から川を挟んですぐ隣やないですか」
「そうなのか。俺はこっちの生まれだから
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