【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第2章】StrikerSの補完、および、後日譚。
【第5節】元老ミゼットとの、極秘の会話。
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からも婚家の苗字が削除されていました。
後に伝え聞いた話では、あのボンボンは私との離婚が成立した『直後』に、娘の乳母と再婚したそうですよ。まあ、私的には『やっぱりデキてやがったか』って感じでしたけどね」
リゼルはにこやかに笑って、そう言ってのけました。
(ええ……。そこ、笑うトコじゃないわよね?)
ミゼットはもう「かなり」引いていましたが、その微妙な表情を何かの懸念と受け取ったのか、リゼルは少し早口でこう言葉を付け足します。
「ああ、大丈夫ですよ。『親は無くとも子は育つ』と言いますからね。私も生みの母に育ててもらったのは最初の一年間だけです。後は父の使い魔に育てられましたが、その件に関して、私の側には不満など一切ありません。
あの乳母も、あの性格から考えて、特に『継子いじめ』のようなコトはしていないでしょう。その点は信頼しています。……それどころか、私の娘に『お前は先妻の子だ』などとは告げずに、本当に自分の子供として育ててくれているかも知れません」
「もちろん、『自分の子供が生まれてしまえば、そちらの方が可愛く見えて来る』というのは、抗い難い『メスの本能』ですからね。今頃、『全寮制の初等科学校に叩き込まれる』ぐらいのことは、されているかも知れませんが……あれほど恵まれた家庭で生まれ育って、その程度の逆境で折れてしまうようなら、所詮は『その程度の人間でしかなかった』ということなのでしょう」
リゼルは自分の娘に対しても、割と容赦の無い態度を取っていました。自分がそれなりに厳しく育てられたので、その程度の厳しさは当たり前だと思っているのです。
『毒親』は言い過ぎですが、それでも、もし実の娘が今の発言を知れば、『かなりキツい親だ』と受け取ることは間違い無いでしょう。
【ただ、現実には、リゼルの娘レスリマルダは最初から継母を実母と信じて育っており、その継母とも父親とも三歳年下の異母弟とも大変に仲が良く、今も普通に家から学校に通って、とても幸福な幼少期を送っていました。】
そうした「雑談」の後で、ミゼットはようやく「今日の本題」に入りました。
「ところで、今さらなのだけれど……良ければ、もう一つ聞かせてくれないかしら?」
「……何でしょう?」
「あなたは私のことを、どうして最初からあんなにも無条件で信頼してくれていたの? 半年ほど前まで、ほとんど面識が無かったと思うのだけれど……もしかして、ニドルス提督から何か聞いていたのかしら?」
すると、リゼルは一瞬、むつかしい表情を浮かべてから、こう語り出します。
「父は昔から、自分のことをあまり語らない人でした。私の生みの母のことですら、私が知っているのは、育ての母(
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