【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第2章】StrikerSの補完、および、後日譚。
【第5節】元老ミゼットとの、極秘の会話。
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でも、私たちがようやく、彼等が旧都パドマーレ郊外の「秘密の地下基地」に潜伏していることを突き止めた直後に、彼等は『飼い犬』に手を噛まれてしまったの」
ミゼットはそう言って、甲虫型のマイクロロボットが撮って来た動画を、リゼルにもそのまま見せました。19日の早朝に、ドゥーエが平然と三脳髄を殺害して立ち去って行った時の、あの映像です。
こうした一連の真実には、リゼルもさすがに愕然となりましたが、ややあって、彼女はそれらを飲み込み、納得しました。
ミゼットはそれを確認してから、、最後に『自分たちは三脳髄の「存在それ自体」を隠蔽するつもりだ』ということを、リゼルに語りました。
もちろん、数日前に、レオーネがザドヴァンに語った時と同じように、そうすべき理由も添えて説明をします。
「では、一般には『絶対の秘密』とすべき事柄をあえて私に聞かせたことにも、何か意図がある、ということですね?」
「そうよ。何十年かが過ぎて、今回の事件が『教科書の中の歴史』として語られる時代が来たら、その時には、もう真実を明かしても良いと思うわ。でも……そのためには、誰かが『世の裏側で』真実を正しく伝えて行く必要があるの。
確かに、リナルドは優秀な人材だけど、次の時代までの『つなぎ』を彼一人に背負わせるのは、さすがに無理があるわ。だから、私たちはいずれ何人かの有志に、この真実を伝えておくつもりでいたの。もちろん、秘密を守れる人物であるかどうかは、よく見極めなければならない訳だけど」
そう言って、ミゼットはにこやかに、正面からリゼルの顔を見つめました。
「私は……合格ですか?」
「ええ。あなたは今のところ、ザドヴァン・ペルゼスカに続く二人目よ。正直に言うと、もう少し下の世代にも、何人か伝えておきたいところね」
「その『何人か』の中には、クロノやはやて二佐も含まれている、という訳ですか?」
「そうね。あの子たちは今回の事件の『当事者』でもあるから、いずれは正しく伝えておきたいと思っているわ。……と言っても、私たちは三人とももう長くは無いから、あまり悠長に構えている訳にも行かないのだけれど」
「解りました。私は、あなたたちが亡くなった後も、あなたたちの遺志を間違いなく引き継ぐことを、ここにお約束します」
リゼルがその「覚悟」を完了したところで、今日の密談は終了となりました。
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