【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第2章】StrikerSの補完、および、後日譚。
【第4節】元老レオーネとの、極秘の会話。
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《それは……「三脳髄」に消された、という意味か?》
《物証は無いが、その可能性も否定できない。我々も「在任中が勝負」だと思っておいた方が良いだろう。》
《そう言えば、最近、ゼブレニオさんの話を聞かないんだけど……もしかして、彼も?》
《いや。確かに、彼は昨年、唐突に死亡したが、あの件に「三脳髄」が関与しておったのかどうかは、今のところ全く解っておらぬ。》
《あの件と言うのは、具体的には、どういう件だったのかしら?》
《第一種の特秘事項だが、君たちも名前ぐらいは聞いたことがあるだろう。アレクトロ社が唐突に「解散命令」を受ける原因となった、「特殊大型駆動炉の暴走事故」だよ。どうやら、彼は旧総督家の当主グロッセウス卿と組んで、この駆動炉開発のスポンサーになっておったらしい。》
《そう言えば、ああ見えて、相当な大富豪だったわね。》
《うむ。それで、当日も視察に来て、その事故に巻き込まれ、グロッセウス卿ともども酸欠で死亡したのだそうだ。享年は、ともに70歳だったと言う。》
さしものラルゴ・キールも、その同じ事故でアリシア・テスタロッサ(当時、5歳)も死亡していたことまでは把握できていなかったようです。
《グロッセウス卿も、決して悪辣というほどの人物ではなかったのだが……。酸欠とは、また、ひどい死に方をしたものだ。》
レオーネは個人的にグロッセウス卿とは面識があったため、いささか悲しげな思念でそう述懐しました。
《そんな訳で、私も退官したら無事で済むかどうかは解らない。今年で57歳だから、普通に考えれば、あと13年か……。》
管理局の定年は一般に70歳です。職種によっては、本人の意思で最大75歳まで延長することも可能でしたが、「慣例として」総代にはそうした延長が全く認められていませんでした。
《急いては事を仕損じる、とは言うものの、あまり悠長に構えている訳にもいかん、ということだな?》
《解ったわ。何か適当な理由をつけて、私たちはこれからも、定期的に三人で会って話をするようにしましょう。》
敵を欺くために、食事を取りながら「声に出して」休み休み続けていた雑談も、そろそろネタが尽きそうです。
そこで、三人は最初の「念話による会談」を終えたのでした。
しかし、実際には、その後も三人の計画は遅々として進みませんでした。
どういう訳か、新暦40年代に入ってからは、三脳髄の方からラルゴ総代に「何らかの指示」が直接に来ることなど全く無くなってしまったのです。向こうからの接触が何も無いのでは、こちらから「探り」を入れようにも限度というものがありました。
実を言うと、「三脳髄」は新暦42年に、人造生命体〈アンリミテッド・デザイア〉の製造にとうとう成功していたため
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