【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第2章】StrikerSの補完、および、後日譚。
【第4節】元老レオーネとの、極秘の会話。
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失格」よね。》
《しかし……間違って君の視界に入ってしまう危険性を考えると、私たちも「三脳髄」の件に関しては、迂闊にメモを取ったり、文書にまとめたりする訳には行かないなあ。君と同様、『念話と記憶力だけが頼り』ということになりそうだ。》
《六十代の年寄りには、ちょっとキビシイわねえ。》
ミゼットは昨年、ラルゴやレオーネより一足先に60歳になっています。しかし、それを聞くと、ラルゴは不意に苦笑まじりの思念で念話を返しました。
《貴女の記憶力に関しては、誰も心配などしておらんよ。自分で言うのも何だが、一番心配なのは私の記憶力だ。》
ラルゴやレオーネも記憶力は「人並み外れて」良い方なのですが、それでも、ミゼットには遠く及ばないのです。
《あなたは私より四歳も年下なんだから、そこは何とか頑張ってよ。(笑)》
《ところで、彼等とて「本物の不老不死」ではあるまい。今、三人とも140歳ぐらいだとして……あと何年ぐらい生き続けるものなのだ?》
《それが解れば苦労はせんよ。ただ、私が見た限りでは、「迫り来る死」に怯えている、という様子はまだ全く無かった。おそらく、このまま何事も無ければ、我々よりも長生きできるぐらいなのだろう。》
《彼等は「タイムリミット」など全く気にしていない、という訳ね。となると、私たちの側のタイムリミットは……もしかして、寿命よりも先に、定年退官なのかしら?》
ミゼットは自問するような口調でそうつぶやきました。
《ところで、そのマイクロチップとやらは、退官した後もそのままなのか?》
《いや。少なくとも、私の前任者ゼブレニオからは外されていた。総代の他にも、あのチップを埋め込まれておる者はおるのかも知れんが、おそらく、その総数はごく限られたものだろう。
いくらAIの助けを借りても、何十人分もの視覚情報と聴覚情報を即時的に処理し続けられるとは、とても思えない。……と言うか、もしそんなコトができるのなら、ゼブレニオからもわざわざチップを外す必要など無かったはずだ。》
《局の中に、他にも彼等の忠実な「下僕」がいるかも知れない……ということは、私たちもあまり迂闊に「同志」を増やそうとしたりはしない方が良い、ということなのかしら?》
《そうだな。当面は、本当にこの三人だけで密かに事を進めた方が良いだろう。……長い戦いになると思う。巻き込んでしまって本当に済まない。》
《それは構わないが……もしかすると、この戦いは、定年退官してからが本番なのかな?》
《いや。多分、そうはならんだろう。巧妙な情報操作により、一般には驚くほどに知られておらぬ話なのだが……私の知る限り、退官した総代は、その大半が天寿を全うできてはおらぬ。》
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