【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第2章】StrikerSの補完、および、後日譚。
【第4節】元老レオーネとの、極秘の会話。
[2/12]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
どとは夢にも思ってはくれるなよ」
思い起こせば、もう四十年ちかくも前のことになります。
新暦36年の春、ラルゴが総代に、レオーネが法務長官に、ミゼットが参謀総長に就任した後、レオーネもミゼットも自分の新たな職務が忙し過ぎて、長い間、旧友であるラルゴの苦境を察してあげることができませんでした。
ラルゴの側から「念話で」相談を受けたのは、それから四年も経ってからのことです。
管理局が主催した「新暦40年の記念パーティー」の際に、ふと三人だけで同じ円卓を囲んで食事を取る機会がありました。
ラルゴはその席で、肉声に出しては普通に「当たり障りの無い雑談」などをしながら、二人の旧友にだけ「念話で」こう話を切り出します。
《実は今、我々は監視と盗聴をされておる。二人とも、我々が今、念話で会話をしておるとは誰にも覚られぬように、私の方にはあまり視線を向け過ぎぬようにして、ごく普通に食事と雑談をしながら、努めて平静を装いつつ、私の念話を聞いてほしい。》
ラルゴはそう言って、レオーネとミゼットに以下のような事実を打ち明けたのでした。
まず、自分は新たに総代と決まった時点で、前任者のゼブレニオから『全く秘密の話だが、総代の位を正式に継承するためには、「とある儀式」を受けて「管理局への忠誠心」を形として示す必要がある』と聞かされたこと。
次に、薬で眠らされて某所に連れて行かれ、これから見るものと聞くことは「絶対の秘密」だと念を押されたこと。
さらには、実は、かつての〈最高評議会〉の三人は「脳髄と脊髄だけの姿」と化して、今もまだ生き続けているのだ、ということ。
自分はそこで、他には全く選択肢の無い状況で、その「三脳髄」に忠誠を誓わされ、外科手術で脳内にマイクロチップを埋め込まれてしまったこと。
だから、自分の得た視覚情報と聴覚情報はすべて「三脳髄」に筒抜けなのだが、先日、さしもの彼等も念話までは盗聴できていないことが最終的に確認できたので、今こうして念話でこの事実を君たち二人だけに伝えているのだ、ということ。
そして、こうした『一般には秘密の存在が管理局を裏から支配している』という状況は、やはり不自然なものなので、自分は『いつの日か、あの三脳髄をこの世から排除したい』と考えていること。
《しかし、今はまだ、あの「三脳髄」が実際には何処に潜んでおるのかも解らぬし、具体的に何をどうすれば彼等を排除できるのかも解っておらぬ。》
ミゼットもレオーネも、ラルゴが冗談の下手な人間であることは、よく知っています。確かに、途方もない話ではありましたが、それでも、二人は微塵も疑うこと無く、ラルゴの言葉を信じて、こう念話を返しまし
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ