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魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
 【第2章】StrikerSの補完、および、後日譚。
【第2節】JS事件と機動六課にまつわる裏話。(後編)
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本体に「小さな傷」をつけました。
 ヴィータは本当に魔力(ちから)が尽きて、ただ落ちて行きましたが、はやてはそこへ遅ればせながらも駆けつけ、空中で彼女の体をそっと抱き止めます。
 そして、巨大な駆動炉は『(あり)の穴から堤防(つつみ)が崩れる』ように、ヴィータがつけた小さな傷から大崩壊を始め、はやてとヴィータは大急ぎでその中央機関区から脱出したのでした。

 一方、なのはは侵入者迎撃役のディエチを返り討ちにして捕縛した後、ついに「玉座の間」へと突入して〈聖王モード〉のヴィヴィオと対決します。
 なのはは激闘の末、自分の寿命(いのち)を削るような「自己ブースト」まで使って、ヴィヴィオのリンカーコアに融合していたレリックを「莫大な魔力照射」で強制的に分離し、破壊しました。
 これでもう、残る敵は〈ゆりかご〉の奥底に身を(ひそ)めているクアットロただ一人です。


 さて、三脳髄は元々、「自分たちが脳髄のままで生存し続けるために必要不可欠である施設」を丸ごと〈ゆりかご〉の内部に転送させるつもりで、〈ゆりかご〉の船腹に広大なスペースを()けさせていました。
 しかし、スカリエッティはその指示に従うふりをして彼等の計画を流用し、自分たちのアジトを丸ごと収容できるようにそのスペースを改造していたのです。
 大昔には例のドローンたちの格納庫として使われていた空間(スペース)だったので、「ゆりかごの失われた諸機能を修復する作業」に比べれば、その空間(スペース)の改装そのものは実に簡単な作業でした。
 スカリエッティの側に幾度か「中途半端なドローンの運用」があったのも、『この空間(スペース)()けるためには、余分なドローンを事前に「ある程度まで」消費しておく必要があったから』だったのです。

 そのようにして「やや強引に」()けられたその広大な空間(スペース)の艦首の側には、今では〈ゆりかご〉全体を操作するための「仮設の艦橋(ブリッジ)」のような設備が整えられていたのですが、クアットロは、(ひと)りそこに(じん)取っていました。
 後方の「玉座の間」とは直線距離で1キロメートルちかくも離れており、しかも、両者の間には何枚もの重厚な隔壁が新たに(もう)けられています。
『だから、たとえ居場所を(さと)られたとしても、攻撃がここまで届くはずは無い』
 クアットロは最後までそう信じていたのでした。

 それでも、なのはは「自分の肉体(からだ)にのしかかる負担」など(かえり)みることも無く、手持ちのカートリッジをすべて使い切って、はるか彼方のクアットロめがけて渾身(こんしん)のスターライトブレイカーをブチ込みます。
 莫大な魔力の奔流は、すべての隔壁を問答無用で撃ち貫き、一撃の(もと)にクアットロの意識を深く刈り取
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