【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第2章】StrikerSの補完、および、後日譚。
【第2節】JS事件と機動六課にまつわる裏話。(後編)
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「一般論だが、『上司は自分の武勇伝を語るより失敗談を語った方が、むしろ部下はよく伸びる』と言うぞ」
ザフィーラは、まるで一連の状況を面白がっているかのような口調です。
すると、なのはは無言でまた一口、酒を飲み……そこでふと何かを思い出したような表情を浮かべて、こう「逆襲」しました。
「ところでさ。話は変わるけど、ザフィーラ。足長おじさんは一体いつになったら、女の子に正体を明かすつもりなの?」
「ん?(ふと自分の脚を見てから)ああ。地球の慣用句か。……ちょっと待て! 何故お前があの件について知っている?」
「え〜。はやてちゃんから、フツーに聞いたけど〜」
なのはが小児のような悪戯っぽい笑顔でそう答えると、ザフィーラは少し困ったような顔をして軽く溜め息をつきます。
「我が主も、意外と口が軽いようだな」
「安心して、ザフィーラ。はやてちゃんの口が軽くなる相手は、私とフェイトちゃんぐらいのものだから」
なのはは、そこでまた一口、酒を飲んでから、ザフィーラが何も答えずにいるので、さらにこう言葉を続けました。
「もしかして……六課でずっとその姿のまま、誰とも喋らずにいるのも、ティアナに正体を知られたくないからなの?」
「いや。これは、ただ単に主の指示によるものだ。この姿の方が、オレももう慣れているし、新人たちも取っつきやすいだろうからな」
すると、なのはは何か面白いモノを見た時のような表情で『ふ〜ん』と声を上げて、また不意に話題を変えました。
「ところでさ。ザフィーラって、どっちが本来の姿なんだっけ?」
「元々のプログラムでは、人間の姿の方が『本来の姿』なのだが……地球では、かれこれ七年ちかくもの間、ずっとこの姿で暮らしていたからな。今ではもう、魔力消費もこの姿でいた方がむしろ少なくて済むぐらいだ」
「でも、魔力消費なら、『子犬フォーム』の方がもっと少なくて済むんじゃないの?」
なのはの少しからかうような口調に、ザフィーラはいかにも不本意そうにひとつ鼻を鳴らして、『アレは、慣れておらん』と答えました。
「オレは元々、不器用な男だからな。ヤツほど器用には生きられんよ」
もちろん、ここで言う「ヤツ」とは、アルフのことです。
彼女はフェイトの補佐官をスッパリと辞めて、今では小児の姿でカレルとリエラ(3歳)の世話をしているのですから、ザフィーラから見れば、これは確かに「器用な転身」と映ることでしょう。
なのはは『なるほどね』とばかりに小さくうなずくと、また話題をズラします。
「そう言えばさ。動物に変身する魔法って、実は結構、レアなんだね。私は、最初に出逢った魔導師がユーノ君だったし、アルフやザフィーラも身近にいたから、
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