【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第2章】StrikerSの補完、および、後日譚。
【第1節】JS事件と機動六課にまつわる裏話。(前編)
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ゆりかご〉の起動そのものには何の不安も無い」
「では、早ければ、来年にでも?」
「いや。この施設を丸ごと収容できるだけのスペースも空けておかねばならないし、できれば、もう少し内部を修復しておきたい。現状では、三年後を予定している」
「あと三年か。待ち遠しいな」
「我々なら、まだ三年でも五年でも待てるさ。大切なのは、我々が〈ゆりかご〉でベルカへ行き、我々の手で〈門〉と〈神域〉にアクセスすることだ」
「そうすれば、〈道〉が開けるのだな。(興奮気味)」
「ああ。それでこそ、人間の姿を捨てて、これまで生き続けた甲斐があったというものさ」
「では、そろそろ我々の『新たな肉体』も造らせ始めないとな」
こうして、三脳髄は最後の一年あまり、「決して叶うことのない夢」を見続けたのでした。
実のところ、人間という存在は「脳髄と脊髄だけの姿」になったからと言って、それで不老不死になれる訳ではありません。
これほどの手段を講じてもなお、「人間の寿命」というものは180歳か、最長でも190歳程度なのです。
つまり、もしドゥーエが何もしなかったとしても、三脳髄はあと数年か、せいぜい十数年程度で(少なくとも、旧来の体としては)寿命を迎えていたことでしょう。
三脳髄は必ずしもそうした自分たちの寿命を正しく把握していた訳ではありませんでしたが……このタイミングで自分たちの「新たな肉体」を造らせ始めたこと自体は、実に良い判断でした。
そして、スカリエッティは機が熟すまで、もうしばらくの間、「従順な飼い犬」の演技を続けたのでした。
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