【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第2章】StrikerSの補完、および、後日譚。
【第1節】JS事件と機動六課にまつわる裏話。(前編)
[2/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
えの人材」として何人かの優秀な技術者たちに目を付けていました。プレシアは元々、そのうちの一人だったのです。
スカリエッティも、実は〈三脳髄〉からの情報提供によって初めてプレシアたちの存在を知り、新暦53年になって『手を貸してほしい』と呼びかけたのでした。
また、スカリエッティは元々、権力闘争のような世俗的な問題には全く関心を持っていなかったのですが、それでも、生まれて20年もすると、さすがに疑問を感じるようになりました。
『自分は何故、自分よりも劣っている者たちに従わなければならないのだろうか』と。
そこで、スカリエッティは「お気に入り」のドゥーエが聖王教会への潜入任務から無事に戻って来ると、今度は、彼女を管理局のミッド地上本部に潜入させました。……というのは、表向きの話(三脳髄にも普通に報告する話)で、実は、そちらの任務は「ただの片手間」でした。
スカリエッティがドゥーエに与えた「本当の任務」は、〈三脳髄〉の所在を突き止め、そのメンテナンス・スタッフに成り代わり、暗殺の機会を窺うことだったのです。
〈三脳髄〉の側から見れば、それはまさに『飼い犬に手を?まれる』という状況だったのですが、スカリエッティにしてみれば、それは反逆でも何でもなく、ただ単に『より優秀な者が、より上に立つべきだ』という「当然の真理」を実行に移しただけのことでした。
また、カリム・グラシアは、わずか4歳の時に新暦51年の「一連のテロ事件」で祖父母と父母と兄と姉と弟を一度に失い、それからは、父の従兄に当たる騎士バルベリオ(当時、36歳)に引き取られて、そのまま基本的にはベルカ自治領内の「騎士団本部直営地」の中だけで、大切に育てられました。
選んで悪く言うならば、カリムは「俗世からは隔絶された環境で純粋培養された、世間知らずのお嬢様」なのです。
彼女にとっては「同年代で親しい間柄の人物」も、長らくシャッハ・ヌエラぐらいしかいませんでした。
【なお、ヌエラ家は、古代ベルカでは「某王国の公爵家」にまで遡ることができるという名門であり、現代ミッドのベルカ自治領でも『代々、聖王教会の高名な司祭や騎士を輩出して来た』という相当な名家です。
しかし、当時のヌエラ本家の当主は「その方面の才能を持った子供」にはなかなか恵まれませんでした。新暦52年になって、ようやく末娘のシャッハ(5歳)が、その兄たちや姉たちよりも格段に高い魔力資質の持ち主だと解ると、高名な騎士バルベリオが「5歳になる娘の友人役」を探していると知って、彼は迷わず自分の末娘を騎士バルベリオに差し出したのです。】
養父バルベリオが、その魔力資質を見込んで「孤児ヴェロッサ」を引き取って来たのは、カリムが10歳になった夏のことでした。それ以来、シャ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ