それぞれの攻防
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それを目指して泳ぎ始めたのだ。
「今の時間は−−−」
タイマーへと目をやるミネルバ。その表示は12分を過ぎたところ。つまり競技開始からその時間が過ぎていると言うことになる。
(やられた!!)
慌ててエルザの後を追うミネルバ。それにより一気に酸素を消費しているが、もうそんなことは言ってられない。
(妾もエルザもまだ誰からも魔水晶を奪っていない。そしてタイマーはあの時間・・・あの魔水晶を手に入れられたら一気に形勢逆転される!!)
目安として15分ほどの酸素が入っているとされているが、それは普通に泳ぐ分にはということ。互いに魔法を使っていたこの状況ではそこまでは持たないことは承知している。
(エルザが魔水晶に到達するよりも先に動きを止める!!)
酸素の消費量は彼女よりも自身の方が少ないのは確実。そのため動きを封じることができれば彼女は魔水晶へ到達できない。その可能性に賭け再度魔法を繰り出すが、エルザはそれをギリギリで回避し続け潜っていく。
「くっ」
それでも諦めずに攻撃を仕掛け続けたミネルバだったが、その手は彼女が魔水晶を掴んだことにより、止まってしまった。
「かはっ」
まるで見計らっていたかのように酸素が枯渇し呼吸ができなくなるエルザ。だが、彼女は新たに手に入れたそれを付け替えると、すぐさまミネルバへと向き直った。
「ふっ。やられたな」
そう言ったミネルバは動きを止めた。いや、止めざるを得なかった。なぜなら彼女ももうわずかで敵を捉える寸前まで来ていたから。つまり、エルザのもっとも得意とする間合いに入ってしまったのだ。
「ずいぶんと諦めが早いな、ミネルバ」
「仕方あるまい。妾の酸素ももう切れる。ここからではどうしようもあるまい」
残り時間を考えてもミネルバの行動には制限が生まれ、対してたった今魔水晶を手に入れたエルザは余裕を持って戦える。それにより敗北を悟った彼女は抗うことなくその現実を受け入れた。
「悪いな、また最終日に会おう」
「あぁ。その時は必ずリベンジしてみせる」
そう言ってエルザはミネルバの魔水晶を剣で弾き飛ばす。そこから10秒の時間が経ち、両者の決着は着いたのだった。
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