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FAIRY TAIL〜水の滅竜魔導士〜
それぞれの攻防
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あの時の−−−」

そこまで言いかけたシェリアだったが、この先の言葉を発することはできなかった。理由は単純、離れた距離にいたはずの敵が目の前へと現れていたからだ。

「わっ!!」

危うく攻撃を受けかねない状況だったが、間一髪でこれを回避。それを見て女性は感嘆の声を漏らした。

「全く成長してないと思ったが、多少は成長しているようだな」

彼女の魔法、アージュ・シールは自分以外の時間を止めることができる。しかしシェリアは本来止まり続けるはずのそれから抜け出すことができていた。それはひとえに彼女の魔力が目の前の相手に近付いていたからに他ならない。

「でも、いつまで耐えきれるかな?」

ニヤリと微笑むクロノスを名乗る女性。しかし、シェリアはそんな彼女を見て何かに気が付くと、不敵な笑みを浮かべた。

「もしかしてこの勝負、あたしの方が有利なんじゃない?」
「!!」

突然のその言葉に目を見開くクロノス。彼女はまるでその言葉が事実であるのを認めるように、その場から動けなくなってしまった。


















キンッ

接近戦で互いに間合いを詰めあっているリサーナとユキノ。それと正反対に距離を置いて互いに攻め手に欠いているのはエルザとミネルバ。
しかしこの中で違和感を覚えていたのは優勢に立っているお団子ヘアの女性だった。

(なんだ?エルザはなぜ攻めてこない?)

自身が一方的に攻撃を仕掛けている状態。本来ならばそれは理想的な展開のはずだが、ミネルバは相手のことを高く評価し、そして理解していた。

(エルザなら必ず起死回生の一手を打ってくるはず。それなのにただ逃げ惑うだけ・・・?)

力のある自身よりもさらに力を持っている相手。そんな彼女の動きを見落とさないように、そしていち早く対応できるようにと思考をしていたミネルバ。だが、それにより・・・

ゴホッ

彼女の酸素の消費量がわずかに上がった。

(今だ!!)

気泡の量が増えたその刹那、エルザは一気に下方へと泳いでいく。その動きに若干ではあるが自らの気泡により視界が狭まったミネルバは反応が遅れた。

「下に何が・・・!!」

距離を取って体勢を立て直そうにも水中では彼女の攻撃範囲から逃れるには相当な労力がかかる。何が狙いなのかわからなかったミネルバだったが、彼女が目指している先にあるものを見てすぐに焦りの色を浮かべた。

「あれはさっきジュビアが落とした・・・」

セレーナはジュビアが咥えていた魔水晶(ラクリマ)は奪うことができたが、彼女が水着に忍ばせていたもう一つの魔水晶(ラクリマ)には気が付いていなかった。それは彼女が退場させられた際に下へと落ちており、エルザは
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