それぞれの攻防
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第三者side
「なるほど・・・あんなやり方があったとはな」
後ろで行われていた会話を聞いていたディマリアは悔しそうに歯軋りをしながら進んでいく。それは仲間であるセレーネが行った挑発により、シリルが本気モードになったからだ。
「てっきり本調子のあいつとはできないと思って譲ったが・・・判断ミスだったか」
女性陣たちのお色気により全力で戦えないと思われていたシリルの本気を引き出すことができた彼女に感服するのと同時に、そうはならないと思っていたために彼との戦いを譲ってしまった自身の読みの甘さに悔しさを滲ませる。だが、それもほんの数秒だった。
「まぁいい。今はこいつとの再戦が大事だ」
頭を切り替えた彼女は冷静さを取り戻すと、今回のターゲットとなる少女の姿を確認し、集中力を高めていく。
「シェリアさん」
「うん。わかってる」
高い魔力を持った相手が自分たちに近付いてきていることをすぐに理解したサクラとシェリアはすぐにそちらへと視線を向ける。二人に対して一人で現れた女性は不敵な笑みを浮かべながら、少女たちを見据えていた。
「なんだ?あいつは」
シリルとジュビア、二人に対峙している女性を見ながら眉間にシワを寄せているのは妖精女王の異名を持つ女性。彼女はロングヘアの女性を鋭い眼光で見据えている。
「せっかく私たちがシリルを戦えないようにしたのに・・・」
「わざわざあんな挑発をするなんてな」
内心二人とも彼の反応を楽しんでいたことは置いておいて、たった今この中でもっとも警戒すべき人物に対峙している者はそのアドバンテージをあっさりと捨て去ったのだ。この行動の意味が理解できず、彼女たちは困惑していた。
「ただあいつ・・・以前どこかで・・・!!」
見覚えのある風貌の女性が誰なのか推測しようとしていたところ、不意に視界の隅に見覚えのある異空間が現れ、エルザは慌ててその場を離れる。そして彼女がその行動に移した瞬間に、それは爆発を起こした。
「きゃっ!!」
「リサーナ!!」
ただその異空間に気が付いていたのは彼女だけ。仲間であるリサーナはそれに気が付いていなかったようで、引き起こされた爆発に巻き込まれてしまった。
「よそ見か?エルザ」
「!!」
仲間の元へと戻ろうとしたエルザだったが、その背後から聞こえた声に反応しすぐさま振り返り、防御を固める。そこに打ち込まれたのはお団子ヘアの女性の拳だった。
「やはりこちらに来るか」
エルザの目に映るのはミネルバ。彼女はその問いに不敵な笑みを浮かべつつ答える。
「当然だ。やはり貴様の相手は妾でなければ」
お互いにギルドの最上
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