第4話:勇者の計算外その1
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「そこで、これから僕達はルンタッタと言う町に往く事にしました」
「そのるんたったって町に何が有るのです?」
「あそこには難易度高めの未踏破ダンジョンが有るのです」
「だんじょん?」
「冒険者達は秘境、遺跡、廃墟などへと潜り、倒した魔物の素材や落ちている装備やアイテムを拾って生計を立ててるんだ」
「ほー」
「で、僕達が今から往くルンタッタにあるダンジョンは未踏破だから、内部の全てを知っている人はいないんだ」
で、ダンジョンの最下層には核石と言う物が存在する。
核石は到達者にクリア報酬を与える事で有名だ。
何が貰えるかは到達してみないと解らない。と言う事は、核石が僕のレベル上限を激増させる可能性が有るって事だ!
はあぁ……
「ダンジョン?そんな細腕で?」
道を尋ねた冒険者が見下した顔で返答する。
随分と無礼な答えだ。
「ダンジョンを踏破してレベルを上げないと勇者セイン様の仲間になれないもん!」
「なれねぇよ。お嬢ちゃんじゃ」
「おじょ……!?」
く……悔しい……
僕は男なのに……僕はレベル上限を激増させて[[rb:白ノ牙 > ホワイトファング]]の一員になるのに!
そんな僕の悔しみを察したのか、ツキツバさんが僕の前に躍り出る。
「そう言うそなたはどうなんだ?他者の[[rb:力量 > うで]]の細い太いを比べる程なのだから……」
「ん?何だ?この娘みたいな小男は?」
え?
ツキツバさんが小男?ツキツバさんは女の子じゃないの?
が、ツキツバさんは横柄な冒険家の台詞を全く気にしていない。
「そなたの[[rb:力量 > うで]]……確かなのだろうな?」
え!?
戦うの!?
一方の横柄な冒険家も売り言葉に買い言葉を言わんばかりに手をポキポキと鳴らす。
「良いぜ坊主、お前が本当に男か、この俺が確かめてやるぜ!」
が、気付いた時には横柄な冒険家の方が既に倒れており、ツキツバさんが手に入れたばかりの聖剣を振り上げた。
「何か言い残す事は?」
すると、何時の間にかツキツバさんに敗けた冒険家が、今までの横柄な態度が一変して命乞いを始めていた。
「つおっと待て!まさか本気か?今のは軽い喧嘩だろ?命まで奪う事は無いだろう!?」
その言葉に、ツキツバさんはつまらなそうに聖剣を鞘にしまう。
「戦いに生きる者でありながら、潔い討ち死により敗走させられて生き恥を晒す事を望むとは……白けてしまいました」
ツキツバさんがそう言うと、そのまま歩き始めた。
……初めて出会った時、村を襲った魔族達やトレントを斃したから強いのは解ってたけど……
いくらなんでも強過ぎるよ!ツキツバさん!
サムライって……なんなの!?
「む?」
ツキツバさんが後ろを振り向くと、先程の冒険家が慌てて逃げていたけど……
僕の気のせいか……冒険
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