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英雄伝説〜灰の騎士の成り上がり〜
第162話
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「それもあるが、今のエレボニアにとって王太子殿下や公女同様絶対に失う訳にはいかない重要人物となったエレボニア総督であるシュバルツァーが並行世界での”有事”に巻き込まれた際の護衛としてもそうだが、”子供達”としての知恵や力を振るって今回同行していない”灰獅子隊”のメンバーの代わりにシュバルツァー達の力になれと放蕩皇子直々からの”勅命”だ。」

「戦争の件を考えれば、私とレクターさんの事は信用できないでしょうから、いざとなれば私達の事は”捨て駒”として扱っても構いませんので、どうか私達も同行の許可をお願いします、総督閣下。」

「クレア………」

「…………………………」

リィンの質問にレクターは肩をすくめて答え、静かな表情で答えた後リィンに頭を下げたクレアの様子を見たミリアムは心配そうな表情を浮かべ、”リィン”は複雑そうな表情で見守っていた。



「幻想機動要塞でも伝えたように、貴女達はこれからのエレボニアにとって必要な人達なのですから自分達の命を軽々しく扱う考えは止めて下さい。それと改めてにはなりますが、貴女達の乗船も許可しますし、心強くもあります。」

「総督閣下………寛大なお心遣い、ありがとうございます………」

リィンの気遣いにクレアは感動した表情でリィンを見つめた後再び頭を下げて感謝の言葉を口にした。

「クク、よかったな〜、クレア。あの様子ならお前もシュバルツァーのハーレムの一員になれる可能性はまだ十分に残っているぜ。」

「レ、レクターさん!?それ以前に私にはそんな資格はありませんし、そもそも総督閣下にとって7歳も年上の女性なんて迷惑でしょうし……」

レクターはからかいの表情を浮かべてクレアをからかい、レクターにからかわれたクレアは頬を僅かに赤らめて反論し

「ニシシ、リィンは年齢差なんて絶対気にしないよ〜。だってクレアよりも滅茶苦茶年上のベルフェゴール達を侍らせているし。」

「年齢差の点に関してはミリアムの言う通りリィンも反論は絶対にできないね。」

「そうね。異種族に限らず、人間でもクレア少佐と同じくらい年齢差があるシャロンにも手を出したのだし。」

「う”っ………」

(シャロンさんにまで手を出したって………本当に並行世界の俺は一体何を考えているんだ?)

レクターに続くようにミリアムもクレアをからかい、フィーとアリサはジト目でリィンを見つめ、二人の言葉に反論できないリィンは唸り声を上げ、その様子を見ていた”リィン”は冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。

「うわ〜……ロイド君以上の”タラシ”な男ね、リィン君って。」

「いや、何でそこで俺の名前が出てくるんだよ。」

「それとエステルだけは他人(ひと)の事は言えないよ……」

「フフ、敵だった”
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