Mission
Mission5 ムネモシュネ
(5) アスコルド自然工場 中央ドーム下層(分史)
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向けて、首を横に振る。
「やめて、アルフレド」
少しの間、睨み合った。やがて、アルヴィンはユティの手を乱暴に振り解き、銃をホルスターに戻した。
ユティはほっと息をついた。
「ローエン、大丈夫か!?」
ルドガーとエリーゼがローエンに駆け寄る。後ろを向くとジランドはいなかった。ルドガーが追い払ったらしい。
「大丈夫、掠っただけです」
ローエンは左肩を押さえて笑うが、どう見ても笑顔に無理がある。
「ごめんなさい。ワタシの提案がローエンを傷つけた」
「ユティさんのせいではありませんよ。ユティさんに言われずとも、私もああするつもりでした。どうか、お気を落とさず」
「……ローエンがそう言ってくれるなら、そうする」
大局に変化はない。今さら他人を心配するほど心優しくもなれない。
胸の妙なざらつきは局部ごと剥ぎ取って捨てるイメージで、ユティは思考を切り替えた。
「いやはや。この分だと弾だけでなく、時歪の因子もハズレですかね」
「そうね。あれだけ騒いでアスカに変化がないなら、コレはもうただの大精霊じゃないかしら」
「でしょう? ルドガーさん」
「あ…」
ルドガーは思い出したというようにケージを見上げた。
そして今度は、より鋭く、針が落ちる音さえ聞き逃さぬとばかりに神経を逆立て、アスカを上から下まで検分する。
もはやケージ越しであろうと異常があれば糸ほどの細さでも見逃さぬといわんばかりだ。
横にいるエルは無意識に愛らしい面を強張らせ、ルドガーの邪魔をすまいとしている。
「ああ、そうだな――ローエンの言う通りだ。だから冗談言ってないで早く手当てするぞ」
「わたしやります」『まかせてー』
「頼む、エリーゼ、ティポ」
「すみません」
『水くさいよー』
エリーゼも笑って頷いた。
(時歪の因子でないモノの選別能力はあり。これが吉と出るか凶と出るか)
エリーゼがローエンの治療にかかってすぐ、ルドガーのGHSが鳴った。ルドガーは仲間の輪を外れて電話に出た。
10分ほどの会話を経て、ルドガーはGHSを切って戻ってきた。
「レイアからだった。街のほうじゃ特に変わった様子はなかったって」
「おいおい勘弁してくれよ〜。これでエレンピオス中そんな感じだったらどうすりゃいいワケ。リーゼ・マクシアまで渡るのか?」
「俺に言われても知らない。それにいくらヴェルでも俺みたいな新米にそんな難しい仕事回すとは思えない」
「やけに信用してんのね、あの秘書のねーちゃん」
「ああ。元同級生だから」
「初耳! 俺らそれ初耳よ!」
「ただ、街には変わったとこはなかったけど、妙な噂を聞いたって」
「……スルーしや
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