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神々の塔
第四十三話 新選組その九

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「お互い凄い人がおるってな」
「認め合ってたか」
「龍馬さんは志士に紹介してた」
 板垣という人物がいるとだ。
「板垣さんは龍馬さんの脱藩の罪消すのに動いてたしな」
「味方同士みたいやな」
「言うならそやった」
 幼い頃からのそれも板垣が残虐にいじめていた様なそれでは間違ってもなかったのだ。
「板垣さんは龍馬さんの子供の頃のこと聞いてたかも知れんが」
「泣き虫で夜尿症で勉強が出来んかった」
「そやったが」
 それでもというのだ。
「偏見なくな」
「認めてたんか」
「元々物乞いに家の服あげる様な人やった」
 板垣の幼い頃のことだ。
「領民に何でも言えと言う人やったしな」
「弱い者いじめして人を後ろから刺す様な人やないどころかかなりええ人やな」
「そやった、ほんま創作で土佐藩の上士の人等はな」
「悪く描かれ過ぎやな」
「そやった」
 こう話すのだった。
「あの人は」
「龍馬さん確かにめっちゃいけてる人やけど」 
 ここで綾乃も言って来た。
「そやけど板垣さんもええ人やったって」
「高知の奴も言うてるやろ」
「後藤さんにしても」
「偏見なく見たら」
 その時はとだ、芥川は綾乃にも話した。
「二人共悪い人やないわ」
「そやね」
「間違っても人を後ろから嬉々として刺す様な人やなかった」
「ほんまにそんな人やと逆にやね」
「西郷さん辺りが刺客送ってや」 
 そうしてというのだ。
「正面から示現流でな」
「ばっさりやね」
「そうなってたわ」
 薩摩藩のお家芸であるこの流派の技でだ、一撃必殺の恐ろしい流派であることは現代にも伝わっている。
「ほんまな」
「そやね」
「そうなるからな」
 さからだというのだ。
「実際は二人共な」
「悪人やなくて」
「優秀でもあったわ」
「そやったね」
「それで板垣さんなんかは新選組に狙われていてもな」
 佐幕派の土佐藩にありながら堂々と倒幕を言っていて志士でもあった彼はだ。
「おかしなかったわ」
「龍馬さんみたいに」
「そやったわ」
「そうやねんね、ただ龍馬さん強かった筈やで」
 このことをだ、綾乃は言った。
「剣術は」
「ああ、あの人免許皆伝やで」
 中里が答えた。
「北辰一刀流の」
「そやったね」
「知識と行動力と頭の回転の速さがウリやったが」
 それでもというのだ。
「その腕もな」
「かなりやったんやね」
「そやけどな」
 剣術の腕も備えていたがというのだ。
「あの人斬ったことはな」
「なかったんやね」
「拳銃持ってたけどな」 
 このことも有名である、刀よりもこちらの方が役に立つと言っていて護身用に持っていたのである。
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