第百三話 堕ちない幸せその四
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「いいこと言わないから」
「本当に気持ち悪いわね」
「ああなったら終わりだよ」
それこそというのだ。
「もうね」
「人間としてね」
「あの落語家でね」
伊東は特にこの輩のことを言った。
「シャモジ持って他の人の家に上がり込んでご飯食べるだけの」
「あの卑しい顔の」
「そう、あの人なんて」
「特に卑しいわね」
「生き方って顔に出るっていうけれど」
この場合の顔は人相のことである。
「もうね」
「そのままよね」
「どんな卑しい人生歩んだのか」
その人相を観ればというのだ。
「こうなるのかってね」
「思う位よね」
「あの人は権力に媚び諂って弱い人を嘲笑してきた」
「そんな人生で」
「あんな顔になったってわかるよ」
こう言うのだった、忌々し気に。
「知ったかぶりもしてね」
「兎に角自分より下って思った人を馬鹿にしてきたのね」
「何でも球界再編の時なんか」
日本全体を揺れ動かしたこの騒動の時もというのだ。
「あの人巨人ファンだけれど」
「それ以上にだったのね」
「完全にあそこのオーナーの側について」
無論そのオーナーが頼んでもいないのにだ。
「チーム減らせってね」
「言ってたのね」
「巨人は減らす側だったね」
「まだ権力があって」
マスコミがまだ巨大と言える権力を有していた頃のことだ、立法行政司法三権の次の第四の権力と言われていたが実はその三権よりも大きかったのだ。
「それでね」
「巨人がやりたい放題やってて」
「その中でのことで」
「あの人完全に巨人に寄って」
「討論番組にも出て」
深夜のそれにである。
「チームを守ろうっていう人達をあからさまにね」
「馬鹿にしていたのね」
「権力を傘に着てね」
「物凄い卑しいわね」
留奈も聞いて呆れた。
「それはまた」
「流石に酷過ぎて」
その卑しい行動がだ。
「批判されたらしいけれどね」
「そうなるわよね」
「今も性根変わってなくて」
あまりにも卑しい餓鬼の様なそれがだ。
「人相にもね」
「出てるのね」
「どうせ野球以外でも」
尚この輩が寄席に出る時の曲は私を野球につれてって、である。野球に対する最悪の冒涜であることは言うまでもない。
「何かあると知ったかぶりして」
「知らない人とか馬鹿にしてるのね」
「若手の人とかもね」
「馬鹿にしているでしょうね」
「だから何かあった時に」
まさにその時にだ。
「奥さんにも逃げられてお仕事もね」
「なくなったのね」
「多分あまりにも人格と生き方が卑しくて」
その為にというのだ。
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