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博士の挑戦状
第九十一話

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                第九十一話  吸血鬼の読書
 カーミラもまた読書をしていた、だが十時頃になると眠そうな顔になってそのうえで使い魔達に話した。
「もう今日はね」
「これで、ですね」
「読書は終えて」
「休まれますね」
「そうするわ、吸血鬼のお昼は寝る時間よ」
 そうなっているというのだ。
「そして夜にね」
「動かれますね」
「そこが普通の人間と違いますね」
「やはり」
「そう、だからね」
 それでというのだ。
「もう寝るわ」
「わかりました、それでは」
「ベッドの用意をしますので」
「それではですね」
「これより休まれますね」
「そうするわ、そして起きたら」
 カーミラは夕刻からのことも話した。
「またね」
「読書ですね」
「引き続きですね」
「そちらに励まれますね」
「そうするわ、睡眠も必要ね」
 使い魔達に微笑んで話した。
「読書には」
「左様ですね」
「よく寝られた方が読書が進みます」
「気力と体力も充実しているので」
「それで、ですね」
「今は寝るわ。それで今からね」
 カーミラはさらに話した。
「ブランデーを飲ませてもらうわ」
「ワインでなくですね」
「今昼はですね」
「そちらを飲まれますね」
「普段はワインを飲むけれど」
 それでもというのだ。
「今はそうした気分だから」
「わかりました、ではです」
「ブランデーを持ってきますので」
「お飲み下さい」
「一本空けて」 
 ブランデーのボトルをというのだ。
「寝かせてもらうわ、飲むのはロックよ」
「はい、それでは」
「そちらで用意させて頂きます」 
 使い魔達もそれではと応えてだった。
 読書を終えた主にボトルのブランデーを六で持ってきた、カーミラはそのボトルを一本空けてからベッドに入って静かに眠った。


第九十一話   完


                  2023・8・24
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