ヒーローな姉
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ノエル(仮)の瞳が大きく見開かれる。どうでもいいけど、目大きいわね。
「あたしのこと、わかんない?」
ノエル(仮)は答えなかった。警戒しているのか、驚いて怯えているのか。もう、そんなところも変わってないわね!
「サラ姉さんよ!もうこの薄情者!あたしは一発で分かったのに!」
あたしは一気に嬉しくなってしまって、ノエルに飛びつくと、いつも弟たちにやるように首に腕をまわして締めあげる。
「もう!あんたほんとどこいってたの!みんな心配してたんだからね!?兄さんたちも弟たちも母さんも!もうもう、久しぶりじゃないのホント!」
「く、くび、くび…」
「あ、あら?」
モチロン加減していたのだけれど、ひょろっこいノエルにはそれでも致命的なレベルだったみたい…そういえば昔も、やんちゃ盛りの飛びかかってくる弟たちにはやってたけど、隅っこで大人しくしてたノエルには、やったこと、なかった、かも…。
「ご、ごめんなさいノエル!姉さんはけっしてあんたの息の根を止めようとしてたわけじゃ…」
あたしがおろおろとノエルの背を摩ると、ノエルは大丈夫だと言うように片手を挙げた。
「だい、じょうぶ…それより、本当に姉さんなの…?」
「そうよ!あんたのサラ姉さんよ。もう、本当に…ボロボロじゃないの。とりあえず、どこか洞窟探して、体温めましょ。ごはんもあるわよ」
あたしは荷物を掲げてニッと笑った。それを見て、安心したようにノエルも笑う。
ノエルの瞳が、夜の空を映してキラキラと輝いた。
「綺麗ね」
起き上るノエルに手を貸しながら、あたしは思わず言ってしまった。
「何が?」
「ノエルの瞳。この世界を映せそうなぐらい大きい」
ノエルはそれを聞いて笑った。
「あら、本当よ。瞳の中で星空が輝いてる。とっても綺麗ね」
あたしはにっこりと笑った。
するとノエルはぱっと俯いてしまった。
「姉さんの瞳も…青い」
なにこの子、照れてるの?
可愛い!もう、本当に引っ込み思案なまま大きくなっちゃったのね。
「ブルーアイズ、いいでしょ。お揃いよ」
そう言うとあたしはノエルに背を向けてしゃがんだ。
「…姉さん?」
「早く乗りなさい。運んであげるから」
「え!?い、いいよ自分で歩ける…」
「いいから!遠慮するんじゃないの!ほら!」
あたしは強引にノエルを背におぶった。後ろで小さ
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