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八条学園騒動記
第七百二十四話 ゴリラの素顔その一

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               ゴリラの素顔
 大尉は上等兵をゴリラのコーナーに連れて来た、それぞれマウンテンゴリラとローランドゴリラと説明に書かれている。
 群れでいる彼等を観つつだ、大尉は話した。
「ゴリラは狂暴と思われているな」
「映画等では悪役ですね」
 上等兵もそれはと答えた。
「まさに」
「そうだな、しかしだ」
「その実はですね」
「違う、非常に頭がよくだ」
 ゴリラという生きものはというのだ。
「しかも温厚で優しい」
「そうですね」
「暴力なぞだ」
 それこそというのだ。
「絶対にだ」
「振るわないですね」
「ゴリラは両手で自分の胸を叩く」
 ゴリラの有名な仕草の一つである。
「あれで狂暴だと思われるが」
「その実はですね」
「ただそれだけでだ」
「それ以上はないですね」
「相手を攻撃することはない」
「完全な平和主義ですね」
「非暴力のな」 
 大尉はこうも言った。
「こう言うとマハトマ=ガンジーだがな」
「マウリアがインドと呼ばれていた時の人物ですね」
「インドを独立させた人物だ」
「その彼の様にですね」
「非暴力だ」
 ゴリラはというのだ。
「実はな」
「そうですね」
「怖いのは顔だけでな」
「実際は非常に優しいですね」
「食べるものはセロリ等でな」
「完全な菜食主義だとか」
「肉類は食べない」  
 まさに一切というのだ。
「そのことからもな」
「非常に温和ですね」
「そうした生きものだ」
「左様ですね」
「だからだ」
 その為にというのだ。
「何も怖くないが」
「外見が怖そうなので」
「誤解されてな」
 狂暴な生きものと、というのだ。
「偏見を持たれている」
「狼と同じですね」
「よく生きもの達の中で狂暴でな」
 そうしてというのだ。
「威張り散らす横暴の限りを尽くす」
「そうした生きものと誤解されていますね」
「創作でもな。しかしな」
「その実はですね」
「森の賢人と言っていいまでにな」
「賢く穏やかな生きものですね」
「そうなのだ、狼以上に人を傷付けるなぞだ」  
 それこそというのだ。
「全くだ」
「ないですね」
「そうだ」
 こう言うのだった。
「ゴリラはな」
「そうしたイメージはまさに偏見ですね」
「ゴリラが誰かを攻撃するなぞない」
 絶対にというのだ。
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