第四十三話 新選組その三
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「狙われてもな」
「おかしくなかったな」
「実際襲われることもあったかもな」
「それで難を逃れるんやな」
「そうすることもな」
「あったかも知れんか」
「しかも新選組は闇討ち上等や」
芹沢や伊東等身内に対してもだが池田屋騒動でもそうであった、尚この池田屋騒動は店のおかみの視点で織田作之助が小説にしている。
「そやから坂本さんを暗殺してもな」
「当然やとか」
「当時思われてたんや」
「そやったか」
「ああ、けど違って」
その実行犯はだ。
「佐々木只三郎っていう直新陰流の達人やった」
「その流派あれやろ」
直新陰流と聞いてだ、トウェインが眉を顰めさせて言った。
「薩摩藩のお家芸やったな」
「ああ、それで実はな」
「薩摩藩というとな」
「西郷さんがな」
西郷隆盛、彼がというのだ。
「黒幕やともな」
「言われてるんやな」
「そんな説もある」
「そうなんか」
「西郷さんも色々やってたからな」
幕末においてというのだ。
「確かに器が大きくて正義感が強くて」
「立派な人やったな」
「けどそれでいてな」
そうした人物でありながらというのだ。
「多くの暗殺の黒幕でもや」
「あったんやな」
「そう言われてるわ」
「そうなんやな」
「目的の為にな」
倒幕の中のというのだ。
「必要なこととしてな」
「暗殺もさせてたか」
「大久保さんが軍師でな」
その立場でいてというのだ。
「あの人がやらせたという人がおるやろが」
「その実はやな」
「そうしたことは西郷さんが考えてな」
そうしてというのだ。
「決めてたらしいな」
「それで坂本さんもか？何でや」
メルヴィルは首を傾げさせて言った。
「何で西郷さんが坂本さん暗殺するねん」
「その理由がわからんか」
「ああ、ちょっとな」
「そやから倒幕の途中とその後や」
「維新か」
「その後で邪魔になるってな」
「そう思ってか」
「刺客送ったって話がな」
西郷隆盛がというのだ。
「あるわ」
「そうなんやな」
「可能性はゼロやない」
リーは真顔で言った。
「実際坂本さんは出来物でや」
「かなりの力を持ってたな」
「志士の人達の間でな」
薩長同盟を実現させ海援隊という組織を持っていて船中八策も出した、まさに大物中の大物で慕う者もかなりになっていた。
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