第百二話 自然環境もその九
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「もうな」
「ああ、九州の子言うわね」
「あの人が敵でな」
「ソフトバンクはね」
「どうしようもなかったってな」
「圧倒的な戦力があったとか言われてたのに」
当時のソフトバンクとファイターズ大谷翔平が所属していたチームを比べるとだ、俗にそう言われていたのだ。
「それがね」
「十一・五ゲーム差あったのがだよ」
そこまで開いていたがというのだ。
「ひっくり返されてな」
「負けたのよよね」
「だからな」
「ソフトバンクファンの人達から観たら」
「トラウマみたいだな」
「それだけ有り得なかったことね」
「普通ないだろ」
越智は富美子に顔を向けて言った。
「それだけゲーム差開いてたのにな」
「ひっくり返されるとか」
「有り得ないからな」
「それで言うのね」
「鷹党の人はな」
即ちソフトバンクファンはというのだ。
「有り得なかったってな」
「阪神でもね」
「いや、阪神は昔はな」
自分達の好きなチームはというのだ。
「結構な」
「あったのね」
「甲子園最終膳で負けたりな」
昭和四十八年のことである。
「それも巨人に」
「それはないわね、私もそのお話知ってるけれど」
「それで負けた瞬間な」
即ち巨人が優勝した瞬間である。
「ファンが大暴れしたんだよ」
「そうだったのよね」
「怒り狂って」
文字通りにだ。
「そうなってな」
「大変なことになって」
「今もな」
「言われてるのよね」
「本当にな」
越智は富美子に話した。
「あの時のことはな」
「今も言われてる位の伝説ね」
「あと少しでな」
残り二試合で一勝でもすれば優勝であったのだ、その為巨人の連覇が止まれば連載終了の予定だった週刊少年ジャンプで連載されていた侍ジャイアンツはこの時巨人の優勝が絶望視されていて連載終了を意識して描かれていたという。
「優勝出来たんだよ、そしてソフトバンクもな」
「十一ゲーム差以上開いていて」
六月の時点でそうであったのだ。
「間違いなく優勝と思ったら」
「三連覇だったのよね」
「それがな」
「大谷さんが物凄い活躍して」
文字通り投打においてだ。
「ひっくり返されて」
「トラウマになってるんだよ」
「大谷さんは確かに凄いけれど」
「負けた方はショックだな」
「そうよね」
富美子もそれはと応えた。
「有り得ないって思うわね」
「それだけのゲーム差ひっくり返されたうえにな」
「あんな活躍されたら」
その中に一番ピッチャーとしてプレイボールホームランを打たれたり一六五キロのストレートを投げられたものもある。
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