第百二話 自然環境もその八
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「地下街もね」
「いい場所だな」
「本当にね。それじゃあ」
「入ろうな」
「そうしましょう」
越智の言葉に頷いてだった。
富美子は彼と一緒に梅田の地下街に入った、そうしてその中を歩いていると越智は地下街の通路の壁を見て言った。
「前ここに来た時凄かったな」
「何があったの?」
「いや、大谷翔平さんの広告がな」
「あの人ね」
富美子もその名前を聞いて少し頷いた。
「やっぱり違うわね」
「バケモノだろ」
「ピッチャーとしても凄いけれど」
「尋常じゃなくな」
「バッターとしてもね」
こちらもというのだ。
「普通じゃないわね」
「投打二刀流だけでも凄いのにな」
「どっちも桁が違うのよね、あの人」
「投げて一六五キロ出してな」
そこまでの速球をというのだ。
「変化球どれも魔球だぞ」
「そう言っていい位曲がって」
「しかも速いんだよ」
速球だけでなく変化球もというのだ。
「これがな」
「だから魔球ね」
「その魔球を幾つも持っていてな」
そうしてというのだ。
「打ってもな」
「とんでもないホームラン量産して」
「ホームラン王も狙えるんだぞ」
「ピッチャーなのにね」
「しかもな」
越智はさらに話した。
「足も速いし守備もな」
「いいのね」
「あの日人一九三あるんだぞ」
この恐ろしい選手の体格の話もした。
「それで足も速くて動きもな」
「よくて」
「もうな」
それこそというのだ。
「あの人は桁外れだよ」
「そう言っていいわね」
「殆ど漫画だろ」
大谷翔平という野球人の能力はというのだ。
「もうな」
「そこまで凄いから」
「だからな」
それでというのだ。
「あの人観られてな」
「それでなの」
「幸せだよ」
「あんな凄い人観られて」
「片手で居合みたいにホームラン打ったしな」
「ああ、阪神との壮行試合ね」
そのホームランを聞いてだ、富美子はどの試合のことかすぐに応えて言った。
「あの時も凄かったわね」
「二打席スリーランだっただろ」
「合せて六点ね」
「あんなことが普通だろ」
大谷翔平という人間にとってはというのだ。
「あそこまで凄い人観られるなんてな」
「幸せね」
「メジャーでも大暴れだしな」
「本当に桁が違うわね」
「ああ、ただな」
「ただ?」
「敵だったらあんな怖い人はいないな」
こうも言うのだった。
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